今日も駅前(AKIBAオジン)

ツクバEX開業日から始めた親父居酒屋の放浪記。下町の居酒屋、旅先の地酒・酒蔵・秘湯、森と水の話や、たまには政治談義など。

美味なるかな「イノシシ肉」と沖縄「三線」

2017年06月17日 | 日本の森と酒

 群馬の山奥で足掛け6日間の山林の調査研究の仕事を終えた。帰り際に鳥獣被害の相談にお邪魔した地元の猟友会員さん宅で「イノシシ肉」を分けて貰う。今回も山仕事の現地社員と個人的にと頂いた。山の事務所の冷蔵庫の冷凍庫からはみ出した分を、アキバに持って帰ってきたが、まだ相当の量である。

 アキバでは何時もの「しづか」で、昨年末以来(2016.12.31blogUP)で久しぶり「猪肉」のすき焼きパーティ。今回のメンバーは、地元企業のOBさんや個性的な若手諸々の集まり。他メンバー合わせて三回目だが、相変わらず臭みもまったく無く、柔らかい「猪肉」には頭が下がる。「しづか」のママさんの自家製「溜り醤油」のタレがしし肉の「うまさ」を更に引き立てる。飲み会は5時半頃から逐次参加、お酒はビール焼酎の「黒霧島」、そして泡盛「白百合」と日本酒はなしだが、途中、沖縄三味線「三線」のプロの緊急参加もあり大いに盛り上がり、気づけば10時半過ぎていた。

 臭みの無い獣肉は、捕獲後の獣肉を調理する時に秘訣がある。トドメの時期・方法や山の中での解体仕事、残った骨や内臓の廃棄処理など、素人には相当に困難である。まだ販売不可の獣肉のため、猟師さん達のインセンティブ低下と高齢化のため最近は猪や鹿が増えている。農産物や森の被害が多く、獣(熊、鹿、イノシシ、サル)の捕獲は地域にとって緊急課題だ。しかし、群馬は放射能や獣肉処理施設の問題で、まだ正式には地域によっては「群馬産獣肉」の販売が許可されていない。しかし、個人的に食用にするにはまったく問題がなく、今回も、お願いして譲っていただいた。

 野生の獣肉にはミネラル、微小金属(亜鉛等)が豊富で、食した後数日は目がしゃきっとする。土の中の虫や草の芽、樹木の皮など土と一緒に体内に入りこんでいるためだろう。今年になって現地社員がまとまって地元猟友会に加入した。しばらくは「ワナ免許」のみだが今後が楽しみである。免許は住所地なのでオジンは東京都の猟友会なのだそうだ。飲むと危ない話がつい出てしまうオジンとしては、テロ等準備罪で捕まるのゴメンなので、ご馳走になるだけにしよう・・・

 


「猪肉パーティ」 と ウリ坊(猪の子)発見

2016年12月31日 | 日本の森と酒

 毎年の御用納め当日に、アキバの飲み屋でいつもの仲間と恒例の「一年ご苦労さん会

 今回は、昨年末に「イノシシ鍋」メイン。群馬の山の知り合いから頂いた肉3kgを約10人で平らげる。獣肉の調理師資格を持っている知人の捌いた肉は、相変わらず臭みもなく、煮込んでも柔らかく実に旨いのである。

 猪鍋に合わせるのは、オジンの選ぶ拘りの日本酒。山口の「純米 貴」、同じく「純米 あらばし 五橋」、和歌山の「純米吟醸 黒牛」で揃えた。銘酒を揃えている台東の酒屋で定価で購入したものだ。何れも知る人ぞ知る酒飲みにはたまらない酒である。

 さて、山に猪の肉を貰った時に、庭にウリ坊がうずくまっていた。その朝、前日に捕った「猪」の肉を捌いたと言っていた。多分、その猪の子供だろう。母猪の匂いに誘われのだろう。しかし、感傷は不要だ。山は猪、鹿、熊、猿で危機的状況である。晴れて公にジビエ料理として普通に食せる時が待ち遠しい。

 


森の旅・「岐阜・京都・奈良」、初めての樫原神宮

2016年11月24日 | 日本の森と酒

 森と木を視察に関西へ。「森」は、ブランド材の代表「吉野杉」の山へ。「木」は、一般的な建築用材ではなく、テーブルや床柱、天井板などを取り扱う銘木市場の視察。そして最新の林業機械を見ることだ。

    第一日目。岐阜羽島でレンタカーを借りて全国から集まった銘木をセリにかける銘木市場を視察。全国でも最大級の市場で集まっている木材は数百万円もする材から一般材まで揃っている。目の保養をさせてもらって一泊目は大阪へ。宿泊地は中心街でのビジネスは見つからず十三のホテルへ。

 着くなり梅田へ皆で出陣。梅田のお初天神通りで呼び込みのお姐さんの案内で地下の「おりじん」へ落ち着く。全員で乾杯。それなりの店であった。その後、一杯気分で近くの縁結びの神さんの「お初天神」へと。お参りのカップルにエールを送り十三へ帰る。

   第二日目。大阪梅田から阪神高速に乗り、吹田JCから名神高速、大山崎JCから京都縦貫自動車道。京丹波みずほICで高速を降り県道を福知山の林業機械展示場まで。林業機械展の会場は前日までの雨で泥の道。おっかなびっくりで歩きながらのブース見学。今年の機械は派手な機械はなく地味にシンポしている感がある。

 二泊目の泊まりは樫原神宮。翌日の吉野の山に入るための宿泊地である。福知山から一番早く到達できるとナビに従い、来た道と同じにみずほICから高速に乗る。福知山から大阪郊外を抜け、樫原神宮までの走行距離は優に2百キロは超えただろう。夜も暗くなってからの到着となった。樫原で夜食兼用の飲み屋を探して街を放浪。8名だとどこも一杯。ホテルから約15分国道沿いを歩き、漸く見つけた中華「民民」に入る。中華料理食べ放題、飲み放題でコスパも雰囲気もかなりよし満点である。

  第三日目。早朝、吉野の山の視察に行く前に樫原神宮にお参りする。朝の冷気と荘厳な雰囲気に圧倒されつつ「一の鳥居」から延々と続く参道を進み。漸く本殿前に到着。

  敷き砂利掃く神官と本殿前で舞を練習する巫女さん達を眺めながら二礼二拍手一礼する。

   ホテルに戻り吉野の山へ一直線、 町役場で地元の山主さんと落ち合い、車を乗り換え一路山へと入る。吉野の山は急勾配、路網も丁寧に整備され、百年を超える杉林は丁寧に枝打ちがされ、真直な木が急斜面に林立し歴史の重さにただ感動。山主さんの林の説明を受ける職員の目は真剣そのもの。自社林の未来の山の姿を思い浮かべていることだろう。


ケヤキの街、中央前橋駅前のスペイン料理

2016年04月29日 | 日本の森と酒

 群馬・前橋市はケヤキの街、前橋市で「森の木と家を繋ぐプロジェクト」の会議も一年経過、具体的な取り組みも幾つか進んできた。メンバーで初めての飲み会をやろうということになった。前日は千葉の五井で遅くまで日本酒一升瓶、朝早く群馬入りで寝不足の極みである。寝不足もドリンク剤と飲み会の掛け声一つで覚醒するのはサガか?

 会議の後、地元以外の面子は上毛電鉄「中央前橋駅前」のホテルにチェックイン。顔を洗い寝不足顔をシャキットさせる。メンバーの待つ駅前のスペイン料理エルビエントへ。調度品や新橋の老舗錠前屋の堀商店から取り寄せた金具類など細やかな拘りあるお洒落な店である。

 まずはシェリーの食前酒で一年目に乾杯。まずはパンにオリーブオイルを付け空きっ腹を落ち着ける。店お薦めのハウスワインで順番に「飛魚の酢漬け」、「バイ貝り塩茹でシェリー風」、「丸ごとトマトのシェリービネガーマリネ」、「イベリコ豚のサラミ」など日本酒にもぴったりな肴が順番に出てくる。幹事さんが店にキープしてある日本酒も有る。松竹梅の「純米生酛 白壁蔵」である。灘の酒で生酛だけにしっかりした男酒だ。スペイン料理にも不思議に合うのでワインから日本酒に移行。〆はパエリアで腹ごしらえ。

 既に予約済みの二次会は、幹事さんの設計したという近くのカウンターBARへと向う。まだ若いオーナーは著名なバーテンさんに修行したらしくBARの棚の品揃えは多く、落ち着いた雰囲気の店だ。三年前の銀座の四丁目のピアノバー以来、カウンターバーにはご無沙汰している。懐かしい思いがあるが頼む飲み物に迷う。とどのつまりスコッチのハイボールを注文する。二杯目はこれまた考えるのが面倒と懐かしいバーボンのオンザロックと定番。お隣のお仲間の教授は、躊躇することなく開口一番で「マティーニ」とこなれていらっしゃる。下町居酒屋放浪の親父は、カクテルを普通に注文したいが引き出しがないのを痛感。まだまだ勉強すべきか歳と相談だ。

 翌朝はユックリ寝て朝風呂に入る。チェックアウトでホテルからビニール傘を戴き、中央前橋からJR前橋駅へ、小雨に煙るケヤキ並木に見せられブラブラと歩く。花燃ゆの「香取素彦」以来、かつての生糸の生産拠点で日本の生糸輸出を担ってきた県庁所在地だが、高崎市に商業の中心は移行した感が否めない。駅前でレンタカーを借り、「水造り」の仕事で県内に「いざ出発!!」。「歳を吹っ飛ばせ!!」である。

 

 

 


「傘寿の仙人」と新橋「烏森」はしご酒

2016年04月17日 | 日本の森と酒

 新年度も始まり、今年度も相変わらずの丸の内と新橋の掛け持ちのお仕事。赤坂での森の仕事の会議も終わり喉が渇いた。久しぶりに青山の仙人と「一杯飲もうか?」てな訳で連絡。新橋駅の汽車ぽっぽ広場で待ち合わせる。

 金曜日ともあって駅前広場は賑わっている。行くあてもない烏森、飛び込みの居酒屋で思い当たる節といえば、まずは、三~四年前と一年前に立ち寄った新橋二丁目ヤマダ電機裏の「野焼本店」。二年前には吉田類の酒場放浪記」で紹介された。いつものオジンの吞みスタイルの行き当たりばったり、まずは覗いてみる。

 「野焼」は狭い路地に面してなかなか判りにくい場所にある。一次会がハネルにはまだ早いためか運よく店に突入。通りに面して屋台のような立ち飲みと焼き場の裏は立ち飲みの4倍くらい収容できるテーブル席がある。年寄りの二人組み、立ち吞みは御免とテーブル席を所望すると、入り口の職人風の二人連れが席を空けてくれた。

 同じテーブルには向かいの席には若い女子の二人組みが賑やかに梅エキスの焼酎割り「やかん」を吞んでいる。「やかん」とはコップ喫水線いっぱいに生の焼酎を注ぎ、自らが梅エキスをコップに割る分のスペースをすすり、空いた分だけエキスを入れてもらうってやつだ。多く割りたければ多く焼酎を啜ることになる。従ってなみなみのコップいっぱいの焼酎の総量は変わらないので後で効く。

 最初はいつもの生ビールからスタート。すぐに「やかん」に切り替える。結構効くので二~三杯が限度だ。肴は一本110円からの鳥とモツの串と、本日お勧めの「マグロ刺し」。入れ替わりが激しく女子二人組みに声掛けるまもなくカップルと入れ替わり。横のテーブルも女子を含むサラリーマングループへと入れ替わる。昔は女子の入れる雰囲気ではなかったが「吉田類氏」の力が偉大なのか、吞ん兵女子が多くなったのか店のムードが気持ち華やかになっている。入り口近くで落ち着かないので、「やかん」にやられないうちに次の河岸へと向かう。

 さて次はと、烏森神社の参道を抜けサラリーマンで賑わう烏森の飲み屋街を抜け、新橋四丁目の桜田公園の近く土佐料理の浪漫亭の手前の「三蔵 別館」に入る。野焼でキツクやっていたので、ここはホッピーブラックでクールダウン。名物の分厚いハムカツと春キャベツメンチカツ、そして串物を注文。初めての店だが一度寄ってみたいと思っていた。都内に数店展開するチェーン店だが雰囲気は大衆酒場で親父向き、一人でも入れる雰囲気てなとこか。どちらかと言う「三蔵」のほうがレパートリーが豊富で安い。「まこちゃん」に似た雰囲気もいただける。

 10時近くになり青山の仙人と新橋駅頭でお別れ、それにしても青山の仙人は偉大である。そろそろ傘寿も近いためか飲み量は多少減ったようだが衰えを知らない。心臓バイパス手術を受けてなおオジンに付き合ってくれるのは頭が下がる。

 半年前に吉田類が地元(アキバ)の飲み屋を紹介していた。まだ客足が落ちていないので落ちついた頃に仙人に紹介したいものだと思いつつアキバへ。ヨドバシアキバの前を抜け、提灯の火が消えている行き付けの「小さな小さな赤提灯」の戸を開ける。ママさんに「一杯だけ、お願い!!」と手を合わせて芋焼酎のお湯割りで〆る。

  


アキバで猪肉をタラフク

2015年12月31日 | 日本の森と酒

 あっという間の2015年。ついに師走の御用納めの28日、恒例の飲み会を秋葉原の「しずか」で開催。暮に群馬の山から仕入れた猪肉を肴に飲み会開催。今年は、現職には申し訳ないが、こじんまりとリタイヤ組と再就職中の10人での集まりである。

 猪は群馬で仕留められた後、川の清水に半日さらされ血抜きした後、直ちに解体され部位ごとに冷凍保存されたものである。獣肉の下処理のプロの手により猪肉特有の臭みは殆ど無い。群馬で4kgほど肉を分けて頂いた後、クール宅急便で飲み会の「しずか」に直接送る。都合よいことに、午前中には下仁田での打ち合わせがあり、「下仁田道の駅」で下仁田ネギを入手。早速、LLサイズ一箱を宅急便で自宅へ送る。猪肉に下仁田ネギ、抜群の組み合わせが楽しみだ。

  次は日本酒の入手に台東区の酒屋に行き、山口の五橋の珍しい銘柄「生純米五橋Z」、同じく以前新幹線新山口駅近くの日本酒バーで勧められた山口の地酒「純米吟醸 貴」、珍しい「八海山 純米生原酒」を一升づつ購入する。猪肉を肴に盛り上がり、結局は足らずに店の「浦霞」と「緑川」それぞれ一升追加となった。

 楽しい時間はあっという間に過ぎ、確実に量はは少なくなっているが、またしても、しっかりと呑んでしまった。来年また「しずか」で元気に再会できることを祈って「皆さん、よいお年を!!」

 


wood job 今年も一等賞

2015年12月06日 | 日本の森と酒

 年末恒例の群馬で開かれた杉やヒノキの素材の展示会で今年も最優秀賞。ここ数年林業に携っていたためか、多少は木を見る目が養われたと思う。今年は我社から100年前後の杉を出品した。採点は素材の質である色、太さ、年輪の詰まり具合や真っ直ぐな材であるか、真円に近いかなど。また、切り株の美しさ、木の表皮の剥がれが少ないかなど切り出す時の技量などで競う。出品木の出来の品質は他を圧倒していると感じた。只々、先人の杣人(そまびと)の弛まぬ管理には頭が下がると共に、現場の連中の努力と技量の研讃には感謝する。

  丹精に育てられ100年の年輪を重ねた木は、美しくもあり神々しくもある。切り出されて初めてその価値が認められる。しかし、いくら良い木でも切り出し売るとなると大きな赤字となる。作業道を整備し切り出し市場まで運搬する経費や、市場の手数料などが木の価格とつりあわないためだ。木材価格の下落で林業での採算は遠く及ばない。放置された森林や里山が日本国中溢れかえっているのが現状である。大規模経営以外、林業経営に魅力のない世界である。

 山の木は自然の朽ちるに任せ自然の更新が最良との考えがある。この考えは山を荒れるが儘にしろと言うに等しい。計画的な間伐や木の更新は元気な木を生み出し、土砂崩れや洪水を防ぐ効果があり適正に管理された森林は緑のダムと言われている。 神戸の土砂災害然り、集中豪雨が多くの山里や山際まで開発された住宅地を土砂が襲い、主要河川すらも平野部を水が襲っている。堤防工事や都市化への対応不足などと矮小化され気ずかされていない。しかし、大本では山林の荒廃の現実の姿でもある。

 堂々とした如何に素晴らしい木ではあっても山にあれば、飢えた熊や増殖しすぎた鹿の皮剥ぎの被害にあい腐り売り物とならなくなる。その前に、世に送り出し、後の100年を人様に愛で役に立ってもらう事が木を生かす道だと思う。最近ようやく、木の価値を見つめ直す機運が出てきた。計画的に伐採と植林されている森は、CO2対策と土砂、洪水、渇水対策、そして多様な生態系を育むことが知られている。

 最近では違法伐採の少ない国産材で建築物や土木資材を供給する事の大事さに気付き、漸く、「水循環法」成立もあり、国も動き始めたようだ。木質バイオマスを活用した発電や水素エネルギーの創出、また、途上国での歯止めの効かないマングローブなど広大な森林破壊の抑制など、案外と知られていない世界有数の森林大国日本、その役割は大きい。再コンテストの末、決定したオリンピックスタジアムには多くの木材が使用されると聞く。木材を見直す機運が生まれることを祈り大歓迎である。

 

 


高知帯屋町で地酒「船中八策」

2015年11月22日 | 日本の森と酒

 山の仕事で高知入り。最近稼働した木質バイオマイス発電所製材所を視察のため、昼に集合場所の高知空港に到着。発電所で詳しい説明と質疑応答の後、四時過ぎにホテルへチェックイン。海側に面した高層階。曇天の夕方、高知の市街の通勤ラッシュが始まったようだ。

  ホテルの室で暫しの休息の後、視察メンバーと会食のため市内若松町の焼肉店「ジュージュ亭」へ。店主は高知で初めてオーストラリアの食肉公社から選ばれた「食肉コンサルタント」とのこと。こじんまりとした店内ではあるが賑やかな会食が始まる。一口大にカッティングされたカルビやハラミなどをレアでいただく。次から次へと上等な肉が運ばれ大満足。酒はビール、焼酎、ソフトドリンクなど真ん中のテーブルで自前で用意。日本酒は「一本〆」、博多の酒のようだ。飲み口がすっきりして焼肉に良く合う。9時近く、後ろ髪を引かれる思いで2次会に向う皆と別れる。前日での群馬の懸案を翌朝までに会社にメールしなければならない。翌日の高知の夜に思いを馳せ、ジュージュ亭のマスターの運転する車で送られ一人ホテルへ。

 翌日、製材所視察のため小雨の高速で向う。山間部に入るにつれ高速の車窓に流れる山肌のもう少しの紅葉であっても雨模様の中に鮮やかになってくる。小雨降りしきる中、木材の集積場やシステマチックに流れる工場を見学。発電所、製材所共に森林組合が経営に関与している。それでも軌道に乗るのは数年後とのこと。

  製材所を後にし、これからの木造建築の木材ダークホースといわれているCLTの工事現場を視察。なお、CLTとは日本語では直交集成材と言う。一枚の板でなく数枚の板を接着剤で直角に組み合わせて張り付けてある板のこと。強度があると言うが接着剤の問題が懸念される。

  空港で視察チームの解散後、二日目の宿泊先のはりやま橋近くのホテルまで送ってもらう。

  さて、一日の視察で帰るにはもったいないと事前に別なホテルに延泊予約。七年ぶりの高知入り。水道関係団体の仕事で寄った前回は、月曜朝の役所訪問でもあり日曜日に独り前のり。日曜夜は、ご多分にもれず帯屋町もひっそりとしていた。ブラブラと飲み匂いに誘われ大通りを渡り路地の飲み屋街で一軒の赤提灯「四万十」に入る。暫くして常連さんの一団と遅くまで大盛り上がり、焼酎をご馳走になった記憶がある。

 金曜の夜は、前回と比べても帯屋町は賑やかであり「ひろめ広場」も面白そうだが、先ずは「四万十に入る。七年前と変わらない。店主の釣った魚、ドライにしカウンターの上に吊るしてある。前と変わらない。店のお酒は土佐の地酒「桂月」。燗酒でいただく。辛口でもなく若干酸味があり、お薦めの魚によく合う。ビール大瓶と燗酒3合いただく。常連さん中心のお店の雰囲気に不思議に安心する。

   さて、「四万十」を後にし、まずは燗酒ランキング第二位の「船中八策」を飲ませる店を探す。なかなか見つからない中、帯屋町通りの「長宗我部」の看板に「船中八策」とある。早速、突入、賑わっている店内、カウンター奥に席を確保。メニューには嬉しいことに「うつぼのたたき」、「どろめ」もあり、早速注文。酒は勿論「純米 生酛 船中八策」を注文。だがしかし、お姐さん曰く燗酒はできないという。なんたること、純米生酛を燗酒で賞味できないとは。仕方なく常温でいただくが、これまた十分に旨い。

   翌朝、前回(約7年前)は忙しく訪問できなかった名城「高知城」。今回はユックリと見学させてもらう。雨でレンタカー会社までズブ濡れになりながら辿りつき、駐車場探しに苦労しつつなんとか高知城大手門に辿り着く。野面積みの石垣と重厚な門構えは圧倒的な迫力がある。我家のルーツは幕末近くに江戸城の門を修復した棟梁だと親父から伝えられている。いつものことながらお城の門を見ると血が騒ぐ。 門を潜ると聳える高知城に威圧感を覚える。長い登りの石階段を歩くに付け城の姿が代わる。不落の城はこうあるべきだろうと実感する。城の内部は他の城と然程違いがない。天守閣からの景色は、高知平野を睥睨し城主の圧倒的な権威を作り出す。どんよりと垂れ込めた低い雲が山の中腹にたなびき、重畳する山並みのシルエットを鮮やかに表し360度が一連一服の絵となっている。

 高知城を後にして、南国市の天然温泉「ながおか温泉」で昼食と航空便の時間調整をすることとした。「ながおか温泉」の泉質はPHは7.5前後、つるつるとして肌触りがよく、肌や神経痛、筋肉痛に効くという。なるほど、ほどよい心地よさがある。叩きつけるような打たせ湯やスーパージャグジーなど痛気持ちよい。なお、プールやフィットネスもあるが雨模様のせいか空いている。ゆっくりと温泉に浸かり、レンタカーを空港に乗り捨て30分前には空港に到着。出発便の遅れがあったが約二時間半後にはアキバに到着。人気土産の塩ケンピをツマミに角ハイで落ち着く。