「大人の休日倶楽部」に入会、まだ{ミドル}だが、いよいよ「サユリスト」の仲間入り。早速、仲間4人で旅行をしようということになった。仲間の探した秋田の「秋の宮温泉」に2泊連泊することになった。途中の酒蔵探訪と酒確保はお神(ジン)の役割。
朝、アキバのホームでおでん缶を仕入れて上野駅へ。秋田新幹線こまちに乗り「大曲」で乗り換え、奥羽本線で酒蔵が多い街「湯沢」へ。湯沢に降り立ち、ひっそりとしたシャッター商店街の先の稲庭饂飩の「佐藤養助」本店で昼飯である。本家本元の稲庭饂飩だ、細身のつるりとした食感がビール腹でも十分旨い。
さて、酒蔵であるが「佐藤養助」の通りの2~3分先に木村酒造「福小町」がある。前日電話を入れてあったので早速案内してくれた。仕込み蔵では蔵人がタンクに櫂入れをしている。案内してくれた蔵人と仕込みタンクの洗浄方法などについて話す。静岡の富士錦にあったオゾン殺菌装置について話すと食いついてきた。ここの仕込み前洗浄はオーソドックスな熱湯だそうだ。個人的には香りも残さず殺菌力が優れているオゾンがお奨めだ。
利き酒は大吟醸と吟醸、純米。いずれも香りが高く旨みが豊富だ。明らかに端麗タイプではない。この蔵の特徴だろう。宿への持ち込み酒は、利き酒の吟醸は少し古さを感じたので宿への持ち込みは大吟醸福小町と純米福小町とする。
酒蔵を後にし湯沢から迎えの車が待つ横堀に。昨年と比較にならないという雪の少ない街道を20分ばかり走り秋の宮温泉郷へ。「秋の宮山荘」へ着く。秋の宮では上等の部類に入るらしい。早速、風呂に入るが大旅館の大風呂作りである。ジャグジー、打たせ湯、露天、寝湯など種類も多く、メインの風呂の湯温も変えてある。
翌日、湯巡りおはじきを買ってホテルの車で秘湯の会の「鷹ノ湯」へ。古風な作りは古さを感じる。まずはお奨めの大風呂へ。長年お湯ですり減った湯船の縁が雰囲気を醸し出す。お湯の温度は非常熱いからややぬるいのまで3段階、つるりとした無色無臭のお湯である。宿が勧めるだけはある。次は渓流沿いの混浴の野天風呂。河原に作られた粗末な脱衣所で浴衣を脱ぎ、渓流を見ながらの入浴もいい。露天風呂は旅館の中、野天風呂を眺める位置にある。野天風呂から我々が出た頃合いを見図ったのか夫婦者が入っていった。
次は武者小路実篤が疎開したという「稲住温泉」に行く。渓流の高台に突き出した露天の釜風呂、桶風呂は一人が入れば一杯であるが、景色と掛け流しの風情がある風呂だ。歴史を感じさせる宿であり卓球の愛ちゃんの練習場があるともいう。今度来るときにはゆっくりと泊ってみたい宿である。あと1軒巡ったが省略する。
一品毎に料理が運ばれてくる夕食時、テーブルの真ん中に持ち込みの「大吟醸福小町」を置き、注文のワインと一緒に食中酒とする。
翌日、酒田に立ち寄り新潟19時発特急ときのグリーン席に乗る予定で羽越本線へ。しかし、冬型の嵐の始まり、遅れに遅れてグリーン席はパーとなり寒風吹きすさぶホームで待つこと2時間。最終23時の自由席での帰京となる。 嗚呼、疲れたのう。