2017年1月5日(木)
気負い込んで迎えた1月4日、思いに反してことが捗(はかど)らない。そこへここ数年間まるで音沙汰なかった旧友から突然のメール、「昨年はお目にかかれず残念」って、君ちょっとポイントが違うよ。
まあいいか、この相手とは不思議な縁で正確に言えば友達の友達ぐらいの距離、在学中は言葉を交わすこともなかったのだ。それが卒業後ある会合で一緒になり、1983年2月4日に御茶ノ水の橋の上で一冊の文庫本を彼から渡されたのである。とてもとても不思議な瞬間、そういう不思議を作り出す何かをもっている、鹿児島出身の法律家である。
ものを捨てられない性分だが、そうでなくともこれは捨てない。あるはずの場所に今もちゃんとある。そう、こんな具合だ。
一壺の紅の酒、一巻の歌さえあれば
それにただ命をつなぐ糧さえあれば
君とともにたとえ荒屋(あばらや)に住まおうとも
心は王侯の栄華にまさるたのしさ!
(ルバイヤート 98、岩波文庫版)
Ω