2017年9月17日(日)
先週、関西のK先生と用事でお目にかかる機会があり、死の準備教育に関するアルフォンス・デーケン師の貢献など話題にしたところ、「古いところを紐解けば、マルチン・ルターが死の準備教育に先鞭を付けている」ことを教えてくださった。詩篇90篇の講解という形で展開されたとのことで、1978年に金子晴勇氏の翻訳が出ている。(『生と死について ー 詩篇90篇講解』創文社)
古書をゆるゆる探すとして、まずは件の詩篇を転記しておこう。
ルターと言えば、今年は宗教改革500周年にあたる。それにつけて思い出すこと、1980年代にドイツへ遊びに行ったとき、留学中の人々が「いずれ来る500周年」のことを語り出した。まだドイツが東西に分断されていた時代で、ルターにまつわる史跡などは東側に集中しているが、その東が当時は社会主義国である。お国自慢のドイツ人はとりわけ「ドクトル・ルター」が大好きで、それについては東も西もなかろうが、厄介なことにルター先生は1524ー5年のいわゆる農民戦争では体制の側に立って徹底弾圧を擁護した。マルクス・エンゲルスに『ドイツ農民戦争』の著書がある通り、社会主義の立場からは農民戦争は階級闘争の歴史的一里塚である。この時のルターはにっくき反革命の頭目に他ならず、ここに解き難い矛盾が生じてしまう。
「2017年には、東独政府はこの件をどう扱うだろう?」というのが、興味津々の論点だった。その後10年を経ずして東西ドイツの壁が平和裡に解消されるとは、誰も予想しなかったこと。まさしく「瞬く間に時は過ぎ、わたしたちは飛び去る」のである。
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【祈り。神の人モーセの詩。】
主よ、あなたは代々にわたしたちの宿るところ。
山々が生まれる前から/大地が、人の世が、生み出される前から/世々とこしえに、あなたは神。
あなたは人を塵に返し/「人の子よ、帰れ」と仰せになります。
千年といえども御目には/昨日が今日へと移る夜の一時にすぎません。
あなたは眠りの中に人を漂わせ/朝が来れば、人は草のように移ろいます。
朝が来れば花を咲かせ、やがて移ろい/夕べにはしおれ、枯れて行きます。
あなたの怒りにわたしたちは絶え入り/あなたの憤りに恐れます。
あなたはわたしたちの罪を御前に/隠れた罪を御顔の光の中に置かれます。
わたしたちの生涯は御怒りに消え去り/人生はため息のように消えうせます。
人生の年月は七十年程のものです。健やかな人が八十年を数えても/得るところは労苦と災いにすぎません。瞬く間に時は過ぎ、わたしたちは飛び去ります。
御怒りの力を誰が知りえましょうか。あなたを畏れ敬うにつれて/あなたの憤りをも知ることでしょう。
生涯の日を正しく数えるように教えてください。知恵ある心を得ることができますように。
主よ、帰って来てください。いつまで捨てておかれるのですか。あなたの僕らを力づけてください。
朝にはあなたの慈しみに満ち足らせ/生涯、喜び歌い、喜び祝わせてください。
あなたがわたしたちを苦しめられた日々と/苦難に遭わされた年月を思って/わたしたちに喜びを返してください。
あなたの僕らが御業を仰ぎ/子らもあなたの威光を仰ぐことができますように。
わたしたちの神、主の喜びが/わたしたちの上にありますように。
わたしたちの手の働きを/わたしたちのために確かなものとし/
わたしたちの手の働きを/どうか確かなものにしてください。
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א תְּפִלָּה, לְמֹשֶׁה אִישׁ-הָאֱלֹהִים:
אֲדֹנָי--מָעוֹן אַתָּה, הָיִיתָ לָּנוּ; בְּדֹר וָדֹר.
ב בְּטֶרֶם, הָרִים יֻלָּדוּ-- וַתְּחוֹלֵל אֶרֶץ וְתֵבֵל;
וּמֵעוֹלָם עַד-עוֹלָם, אַתָּה אֵל.
ג תָּשֵׁב אֱנוֹשׁ, עַד-דַּכָּא; וַתֹּאמֶר, שׁוּבוּ בְנֵי-אָדָם.
ד כִּי אֶלֶף שָׁנִים, בְּעֵינֶיךָ-- כְּיוֹם אֶתְמוֹל, כִּי יַעֲבֹר;
וְאַשְׁמוּרָה בַלָּיְלָה.
ה זְרַמְתָּם, שֵׁנָה יִהְיוּ; בַּבֹּקֶר, כֶּחָצִיר יַחֲלֹף.
ו בַּבֹּקֶר, יָצִיץ וְחָלָף; לָעֶרֶב, יְמוֹלֵל וְיָבֵשׁ.
ז כִּי-כָלִינוּ בְאַפֶּךָ; וּבַחֲמָתְךָ נִבְהָלְנוּ.
ח שת (שַׁתָּה) עֲוֹנֹתֵינוּ לְנֶגְדֶּךָ; עֲלֻמֵנוּ, לִמְאוֹר פָּנֶיךָ.
ט כִּי כָל-יָמֵינוּ, פָּנוּ בְעֶבְרָתֶךָ; כִּלִּינוּ שָׁנֵינוּ כְמוֹ-הֶגֶה.
י יְמֵי-שְׁנוֹתֵינוּ בָהֶם שִׁבְעִים שָׁנָה, וְאִם בִּגְבוּרֹת שְׁמוֹנִים שָׁנָה--
וְרָהְבָּם, עָמָל וָאָוֶן:
כִּי-גָז חִישׁ, וַנָּעֻפָה.
יא מִי-יוֹדֵעַ, עֹז אַפֶּךָ; וּכְיִרְאָתְךָ, עֶבְרָתֶךָ.
יב לִמְנוֹת יָמֵינוּ, כֵּן הוֹדַע; וְנָבִא, לְבַב חָכְמָה.
יג שׁוּבָה יְהוָה, עַד-מָתָי; וְהִנָּחֵם, עַל-עֲבָדֶיךָ.
יד שַׂבְּעֵנוּ בַבֹּקֶר חַסְדֶּךָ; וּנְרַנְּנָה וְנִשְׂמְחָה, בְּכָל-יָמֵינוּ.
טו שַׂמְּחֵנוּ, כִּימוֹת עִנִּיתָנוּ: שְׁנוֹת, רָאִינוּ רָעָה.
טז יֵרָאֶה אֶל-עֲבָדֶיךָ פָעֳלֶךָ; וַהֲדָרְךָ, עַל-בְּנֵיהֶם.
יז וִיהִי, נֹעַם אֲדֹנָי אֱלֹהֵינוּ-- עָלֵינוּ:
וּמַעֲשֵׂה יָדֵינוּ, כּוֹנְנָה עָלֵינוּ; וּמַעֲשֵׂה יָדֵינוּ, כּוֹנְנֵהוּ.
Ω