散日拾遺

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窮即変、変即通

2017-10-12 09:28:54 | 日記

2017年10月12日(木)

 もとい。

 「追い詰められたときの捨て身の変化」などと言うと、一か八かの爆発的なアクロバット・ダイブを連想するが、原義はそうではないのだろう。窮した時に知恵を搾って考え抜く、自分にはこれはできない、これは変えられないと思っていたことを、勇気をもって変えてみる、持続的で粘り強い意志の働きと、その末の決断・果断が「窮即変、変即通」の意味するところではないかしらん。

 出典である『易経』の名称について Wiki に以下のような解説があり、そうだとすれば「窮即変、変即通」のカナメにあたる「変」の価値はいっそう高くなる。

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 この書物の本来の書名は『易』または『周易』である。『易経』というのは宋以降の名称で、儒教の経書に挙げられたためにこう呼ばれる。なぜ『易』という名なのか、古来から様々な説が唱えられてきた。ただし、「易」という語がもっぱら「変化」を意味し、また占いというもの自体が過去・現在・未来へと変化流転していくものを捉えようとするものであることから、何らかの点で “変化” と関連すると考える人が多い。

 有名なものに「易」という字が蜥蜴に由来するという “蜥蜴説” があり、蜥蜴が肌の色を変化させることに由来するという。

 また、「易」の字が「日」と「月」から構成されるとする “日月説” があり、太陽と太陰(月)で陰陽を代表させているとする説もあり、太陽や月、星の運行から運命を読みとる占星術に由来すると考える人もいる。

 伝統的な儒教の考えでは、『周易正義』が引く『易緯乾鑿度』の「易は一名にして三義を含む」という「変易」「不易」「簡易」(かわる、かわらぬ、たやすい)の “三易説” を採っている。

 なお、『周易』の「周」は中国王朝の周代の易の意であると言われることが多いが、鄭玄などは「周」は「あまねく」の意味であると解している。

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 「万物は流転する」(ヘラクレイトス)

 「存在するものは、変化のためにのみ存在することを忘れるな」(マルクス・アウレリウス・アントニヌス)

 「すべてのものは変化する。唯一変わらぬものは、『すべてのものは変化する』というこの法則だけである」(たぶんカール・マルクス)

 「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」(鴨長明)

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 「窮即変、変即通」、発音は・・・ qióng jí biàn, biàn jí tōng

 qióng が難しいな ~ 2声は一気に引っ張り上げると教わるが、i+óng なので i の分だけ待ってから引っ張り上げるのか。

Ω