散日拾遺

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この御代に年とることの難しさ(桃蛙)

2019-06-06 05:57:08 | 日記
2019年6月6日(木)
 同じ昨日、A首相を議長とする未来投資会議が今年の成長戦略素案を示しており、その中に「70歳まで働ける場を確保することを企業の努力義務と規定する」ことが盛り込まれているという。
 「働きたい人が働けるように」といえば聞こえは良いが、年金頼みにぶらさがることなく、働ける間は働いてちょうだいね、としか響いてこないのは、耳がヒガんでるのかな。一方では生産し続けることを求められ、他方では潜在的な危険要因と見なされるこれからの高齢者はたいへんだ。
 これからの高齢者って、自分のことか。まあ若い時に楽しい思いをしたのだし、戦争に駆り出される不安も、頭上に爆弾が降ってくる恐れもなしにここまできたのだから、働ける間は働いて人生に恩返しすること吝かでない。「80歳まで臨床やるよ」と朗らかに公言するA君(首相とはもちろん別のA)は、50歳前後で胸部外科から内科・小児科に華麗な転進。僕はもともと「長くやれそう」というのが精神科を選択した理由の一つだった。健康でさえあれば何とでもなるのは、しかしこの道ゆえの特殊事情である。
 若い人々でさえ就職が簡単ではない今の時代、一般勤労者に70歳までどんな働きの場を提供するつもりの提言か。あまりいい想像が浮かばない。

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 T.H.さま、コメントありがとうございます。実名を書いてくださったようで嬉しく存じますが、ここでは伏せておきますね。

> 福岡の事件ですが、ニュースではアクセルとブレーキの踏み間違いの可能性も指摘していますが、どうして踏み間違えるのだろうか、踏み間違えても足を放せばよかろうにと、今回は疑問に感じられ、やはり脳梗塞とか心筋梗塞などが出たのではなかろうかと……。高齢者にはマニュアル車をおすすめしたいですね。オートマはやめてほしい。80歳すぎてもどうしてもクルマが必要な人はマニュアル車限定にしたらいいと思います。
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 昨日は一日、ある会合に出ていたのですが、そこでも休憩時間に「マニュアル車限定」案を主張した人がいました。その女性御自身がマニュアル車に乗り続けているんだそうです。私も次はマニュアル車に戻そうかな、ギアチェンジの感覚は楽しくもありましたし、オートマ導入当時「燃費はマニュアル車のほうがいい」という説もありましたね。
 ただ、アクセルとブレーキの踏み間違い(仮にその説明が正しいとして)も、実際には高齢者だけに起きる問題ではないようです。今回のポイントは、心理学などでいうところの「誤った原因帰属」とか「過剰な一般化」とかいったものの危うさを、「ひきこもり」や「高齢者」について論じるにあたって是非とも思い出したいというところにありました。
 明日は某所で、ある集まりのお手伝いをすることになっています。テーマは『老いと祝福』というのです。
 どうぞよろしくお覚えください。

Ω