2015年4月28日(火)
紈扇員潔 銀燭煒煌
紈(がん)は「白い練り絹」のことだそうだ。
そもそも僕は「練り絹」が何だか知らない。さっそく調べてみる。
1. 繭糸を数本合わせて接着したのが生糸であり、糸から表面に膠着しているセリシンを除いたのが練絹である。
(世界大百科事典)
この意味で、練り絹は「生糸 vs 練り絹」ということで、素材に関する概念なんだが、転じて
2. 生糸で織ったあと精練した絹布。また、練糸で織った絹織物。
(大辞林 第三版など)
できあがった布(製品)に関する言葉としてもつかわれる。
さらに、織ってから精練するのと、精練してから織るのと、二通りの方法があることも分かる。
それからまた、
3. セリシン
「染色された絹糸や絹織物は、精練工程を通ることによって、セリシンを除去しほとんどがフィブロインばかりになっています。(セリシン、フェブロイン→)生糸でも絹紡糸でも紬糸でも全てそうです。」
「このフィブロインってえやつは、一本一本の繊維は強いのですが、その繊維の束ン中に水が入り込みやすく(それが保湿性、保水性の良さでもあるのですが)、細い細い一本の単繊維に割れてしまい、そこで摩擦されると繊維一本一本が切れてケバケバになってしまうって訳なんです。」
「他の繊維ならそれでも良いのかも知れませんが、何せ表面の光沢感あっての絹です。台無しになってはトホホです。また、染色堅牢度においても最も弱いのが湿摩擦堅牢度です。(反応染でも赤系統など)色によっては2-3級程度が限界だったりします。(絹は低染色堅牢度?→)とにかく、できるだけドライ表示にし、手押し洗いの場合でも、ウオッシャブル加工→など(後述)を付与したもので対応すべきです。」
(http://www.brandnewsilk.com/story/01.htm)
・・・だそうだ。
ここでセリシンに関心が向くのは自然の勢いというもので、
「セリシンは、絹になるフィブロインを取り囲むタンパク質です。 古来、中国には、繭を煎じて薬として飲む習慣があり、糖尿病の治療に用いていたと言われています。 創業当時から絹を取り扱ってきたセーレンは、絹に携わっている人たちがなぜか若々しく、健康で、きれいなことに着目。 研究の結果、セリシンが大きく関与していることを突き止めました。」
(セーレン株式会社 :: 製品情報 :: セリシン研究報告 セリシンとは www.seiren.com/products/medical/sericin/sericin02.html)
セリシンの命名が気になるが、案の定、アミノ酸のセリンを30%以上含むとあり、これと関係するらしい。
「セリシンのアミノ酸組成は肌の天然保湿因子(NMF)とよく似ている為に、例えば、お肌のバリア機能を低下させる活性酸素の発生や、シミの原因となるチロシナーゼの働きを抑制する効果が有り、その一方、肌への刺激も少なく、保湿・保護・美白に優れたスキンケア成分として注目され、現在「セリシン」は有用物質として様々な分野で活用されています。、現在「セリシン」は有用物質として様々な分野で活用されています。」
(セリシンとは何? http://ruby07.com/serisin-siruku/cat0001/1000000002.html)
セリシンを取り除かずに絹を着用することは、できないのかな?
***
本題に戻って、
員は圓に同じ。煒煌は光輝くさま。なので、
紈扇員潔 銀燭煒煌
すなわち
「白い練り絹のうちわは丸くて清潔である / 銀の手燭は光り輝く」
***
また、ともし火をともして升の下に置く者はいない。燭台の上に置く。そうすれば、家の中のものすべてを照らすのである。
そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい。
(マタイ5:15-16)