散日拾遺

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高尾九段、小保方状況をはね返す/求む、同志!

2014-05-01 12:36:50 | 日記
2014年4月30日(水)続き

 昼休みに技術運行課のFさんと碁を一局。
 教員と違ってきっちり時間に縛られるFさんは、12:15から13:00までしか時間がないから、大抵おわらない。
 今日も終盤の山場でタイムアップ。気持ちよく打ったが、よく見れば細かそうだ。後から思い出す、悪手凡手の数数々・・・特に相手が非常識な手を打ったとき、咎め損ねて無理を通してしまうことがすごく多い。あとは死活の判断がいつでも甘い。相変わらずのトノサマ碁だ。
 あ~あ、こういう時に言うのかな、
 「僕は碁が大好きだが、碁は僕のことをあまり好きではないらしい。」

 気の利いた言い回し、フランス人から教わったのだが、フランス語固有のものかどうかは知らない。

***

 碁といえば、僕が自分の師匠と決めた高尾九段が、結城聡さんと熱戦五番勝負の末、十段位を奪回した。五局とも見応えのなる内容だった。
 これまで井山裕太(日本棋院関西総本部)が六冠、残る十段位が結城さん(関西棋院)で、七冠すべてが関西にあった。千葉出身の高尾さん(日本棋院東京本部)がようやく一つを箱根の東側に取り戻した形である。囲碁の世界は東高西低の時代が長かったが、井山という怪物の出現で様相が変わった。これからが面白いが、個人的には中部総本部にも気を吐いてほしい。

 ところで囲碁の対局場は序列優位の棋士(番碁ならタイトルホルダー)の在地を挑戦者が訪れることが多く、今回も5局のうち3局は関西、1局が中立地帯の長野で、東京で打たれたのは最終局だけだった。
 対局は個室で静粛に行われるものの、一歩出れば検討室を中心に関西勢が集まって「結城頑張れ」オーラを出しているから、並の精神力では気圧されてしまう。それをもはね返した高尾さんはさすがだが、何局めかの前夜祭のスピーチでその状況を「小保方さんみたい」と評して笑いをとったそうだ。

 パーティーのスピーチに目くじらを立てるのも野暮だけれど、これは少々いただけない。自分も相手も貶める意味を含んでしまう。こちらは正々堂々の勝負事、単に環境設定の問題である。あちらはモラルに関する問題で指弾を浴びており、メディアはじめ衆目の側の「やりすぎ」はあるとしても、四面楚歌の状況そのものは自業自得以外の何ものでもないのだから。

 「笹井氏のスピーチを聞くまでは」と書いたのが、この件について最後だったが、その後は何も言う気がしなくなった。残念などという言葉では尽くせない。「若い人にきちんとモラル教育をしなければ」という論を何度か聞くけれど、独創性を求められる原著論文でコピペが許されるかどうか、教わらなくともふつうの精神構造なら分かることだ。それが今度は、調査委員側で発覚したというんだから・・・
 もう何も言わない、言いたくない。 

***

 14時前、制作部のKプロデューサーが来てくれて、TV教材収録についての打ち合わせをする。僕はTVがイヤでイヤで仕方がない。おまけに受講者のほうはTVならではのロケだのインタビューだのを期待するから、出来がつまらなければ総攻撃を浴びて小保方状況になるだろう・・・もとい、この譬えは「不適切」と言ったばかりでしたね。
 着手前からウンザリのていたらくだが、K氏の助言やらアイデアやらを聞く間に、少し元気が出てきた。
 何とかなる、かもしれない。

 英語のジョークに、「物事をするのに三つの方法がある」というのがある。
 一つ、自分でやる。
 二つ、人に頼んでやってもらう。
 三つ、子どもに「これはやっちゃダメだよ」と言っておく。

 もちろん三つ目がオチで、"Tell your children NOT to do it." と言った瞬間、アメリカ人なら例外なくワハハと笑ってくれる。こういうのをいくつか仕入れておくと、英語の会話がだいぶ楽になる。

 それはさておき、仕事の際の最後にして最強の選択肢は、「皆で一緒にやる」というものだ。
 このところパッとしないのは、もともと「一緒にやる」好きの自分が、一年中単独作業を余儀なくされているところに一因があるのだろう。

 求む、同志!

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