週末毎に台風で仕事飛ぶので引きこもってハラリの話題の新訳本、「ホモ・デウス」を読んだ。面白かった。
旧人からホモ・サピエンスになり現在までに至る人類史を振り返って検証し、その上で人類の未来を予測する本。
その未来は非常に悪夢的で、残念ながらかなり現実味ある。要は人工知能や生物工学や情報工学と、人間との関係が主従逆転し、やがて人間は無用化、無価値化するだろうという、よくあるといえばよくある予想。
それが人類史を検証したところから述べる所にこの本の面白さがある。
「・・・そうなるとデータ至上主義(AI)は、ホモ・サピエンスが他の全ての動物にしてきたことを、ホモ・サピエンスにする恐れがある」・・・、とか、すごい指摘だと思う。
結局のところ、生命を機械論的に見ることと経済成長主義とが合体した西洋文明とはもう限界なんだということがこの本でよく分かる。
で、最後にヒントのような問いが三つ提起されてるが、別の道に舵を切ろうぜということを静かに、実は強く読者に促しているように思えた。自身の世界的知名度と影響力も意識しつつ。
ちなみにこの本、うちの店の中にある「海旅文化研究所」で貸出可能なので、もし興味ありましたら。