一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2795  ワグネルと白茶のかほり秋うらら 吠沖  

2022年11月18日 | 

 ワグネルを調べて驚いた。➀ドイツの作曲家ワーグナー由来の男性四部合唱 ➁慶応大学ワグネルソサイエティ男声合唱団 ③明治時代初期に日本の大学で教え、大きな足跡を残したドイツ人教授。それ以外に ➃プーチンの私兵、民間軍事会社ワグネルがあったのだ。この句の作者のワグネルが、まさかプーチン由来ではなかろう。

 中国茶を分類すると、緑茶、白茶、黄茶、青茶(ウーロン)、紅茶、黒茶(プーアール)に別れる。その中で唯一白茶は、自然乾燥させ揉まないまま火を入れる。従って、淹れる際には耐熱ガラスに湯を入れ、茶葉が揺れ動くのを楽しむという。茶葉の色は、白色、翡翠色、青緑色である。

 さて、ソファーに寄りかかって、ワーグナーのドイツ男声合唱を聞きながら、白茶の熱々中国を楽しみ、秋のうらら日本を楽しむ、実に風流なほんわか作者である。

食用菊

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2794  教えて彼岸花練り切りどんな味    翠風

2022年11月17日 | 

 「俳句はひねる」と言われるが、「ひねる」を辞書で調べると、

1 指先でつまんで回す。2 からだの一部をねじって向きを変える。3 ねじって回したり、締めたりして殺す。4 つねる。5 いろいろと悩みながら考えをめぐらす。6 わざと変わった趣向や考案をする。7 苦心して俳句や歌などを作る。8 相手を簡単に負かす。かたづける。9 金銭を紙に包む。

 本来の意味、体の動作「ひねる、つねる、まわす」から派生して、「わざと変わった趣向を考案する」などに変化したのだろう。

という訳でこの句、「彼岸花教えて練り切りどんな味」とするのが普通。つまり、彼岸花が咲いている場所で、誰かに練り切りの味を質問しているのだ。しかし、それではつまらないので、一工夫して、彼岸花に質問した形にひっくり返し、575を崩したところが、この句の味噌なのである。

ススキ(芒、薄)

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2793  山頂に空飛ぶ円盤まつむし草  マープル

2022年10月17日 | 

 この句作者によると、松虫草を空飛ぶ円盤と想像したという。私も読者として、多分そんなことかもしれないと想像したが、それでは単なる季語の説明に過ぎないし陳腐である。そして、松虫草は小さすぎてとても円盤とは言えない。同じ想像するなら、実際に松虫草の咲く山頂に、UFOが飛んでいた、と解釈する方が面白い。何故なら、更に発展して増々UFOの想像が膨らむからだ。又、最近世界中で未確認飛行物体であるUFOの目撃情報が報告されており、アメリカ国防総省では昨年、UFOの目撃情報を調査する部署を新設したくらいなのだ。

 さて俳句は短詩であるから、読者によって様々な解釈が成り立つ。それが事実ではなく想像や夢の世界となれば、解釈は無限に広がる。第三者の異なった様々な解釈を面白がればよい。

白彼岸花

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2792  秋の浜カモメ居座る係留船    豊狂

2022年10月12日 | 

 俳句の題材には、自然や動植物、自分の生活、家族や友人、社会、そして人生観や想像(フィクション)や夢、更に教訓や感慨など様々ある。しかし、「俳句は花鳥諷詠」と昔から言われているように、あくまで基本は「自然を詠う」であろう。

 さてこの句、九月に毎週のようにやってきた台風がまず想像される。それを避けるために。砂浜に揚げられた多くの漁船と、それに群がり休むカモメが想像される。

 台風の時、カモメたちは一体どこに避難しているのだろうか。山に住む山雀、四十雀など沢山の鳥達のことも、私はとても気に掛かる。そして、台風が去って、小鳥たちの元気な姿を見てほっとするのだ。この句に、そんなことは一言も書いていないが、俳句の言葉の裏側の省略された状況や作者の想いを想像するから、俳句は面白いのだ。

 いずれにしても、「地震、雷、火事、親父」という恐ろしいものを並べた言葉から、親父はとうの昔に消滅したらしい。そんな余計なことも思いつくから、可笑しい。

ヒガンバナ(彼岸花)別名=曼殊沙華、葬式花、墓花、死人花、幽霊花・・・

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2791  秋の暮テネシーワルツ不思議よね  釣舟

2022年09月26日 | 

 世の中には、不思議な曲が沢山ある。例えば「テネシーワルツ」である。英語だから、特別歌詞の意味を調べようともせず、長い間聞き流していた。

 ある時、詩の意味が気になり、調べて見て驚いた。

わたしの愛しい人と

テネシーワルツを踊っていたら

古い友人と偶然出会った

彼女にわたしの愛しい人を紹介して

二人は一緒に踊っていた

そして友人はわたしから彼を奪ったの

世界で大ヒットした名曲と言えるが、友人に恋人を盗られた実に情けない詩だったのである。日本の歌謡曲にも失恋や恋人に捨てられて嘆くような詩の曲が結構大ヒットしている。例えば「少しは私に愛を下さい」である。共通点は、作詞家が男性で主人公は女性。典型的な哀れな女の歌である。

ツリガネニンジン(釣鐘人参)

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790  てのひらの深さを知るための一生月に向って泳ぐ者なし  静

2022年09月19日 | 短歌

 先日、伊豆山神社で「源実朝を偲ぶ仲秋の名月伊豆山歌会」があった。たまたま来客の方から投稿のお誘いがあったので、急遽短歌を作り二首投稿した。そのうちの一首

 クレオパトラの湯浴み見て来た十五夜の月ぞわれらの部屋を覗きぬ

が、選者である大森靜佳先生から天位をいただいた。私の短歌は置いておくとして、靜佳先生からいただいた色紙の短歌の解読が難しい。てのひら(手の平、掌)に深さなどないし、「それを知るための一生」も意味不明。「月に向って泳ぐ者なし」もロケットに乗ったとしても、水もないから泳げるはずもなく当たりまえ過ぎる。しかし、そう断定してしまっては話にならない。そこで、深読みが必要になる。

 さて、一生をかけて知らねばならないことが「掌の深さ」なのであろう。これは、哲学的命題かもしれない。例えば「私とは何か」「私は何をするために生まれて来たのか」「神仏は、存在するか」「愛とは何か」「美とは何か」「何故人間は戦争をするのか」等々、人によって他にも様々な命題があるだろう。

  最後の七七に突然「月に向って泳ぐ者なし」とあるわけだが、作者はこれを肯定的かそれとも否定的に捉えているのか、は不明である。前の五七五は、自分のこと。後の七七は、他者、社会のことではないのか。悲嘆といえば大袈裟だが、否定的に見ていると考えて良いだろう。月へ泳ぐような実に困難なこと、例えば 先の哲学的命題も含めて「核兵器をなくす」「戦争をなくす」「平和裏に社会を変革する」いずれにしても、作者が人類をそして社会を嘆いている、と考えるのはどうだろうか。

 

 

 

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2789  有東木や川の流れと山葵ソバ   流水

2022年09月12日 | 

(うとうぎや かわのながれと わさびそば) 

 

  有東木は、静岡市葵区の山間地にある地名。江戸時代初期に、ここのワサビ山付近に自生していたワサビを移植し、栽培を始めたのが、日本のワサビ栽培の発祥とされている。

  作者は、小川のせせらぎを聞きながら、有東木の「うつろぎ」という蕎麦屋で山葵たっぷりのざる蕎麦を食べたそうな。「うつろぎ」という蕎麦屋の名の語源は、「空ろの木」中が腐って空洞ができた木であり、春に花咲く(卯の花)ウツギの木でもあり、「移ろう」世は常ならずの「無常」にも通じています。

  葵区の葵は、当然ですが徳川幕府の「葵の御紋」からきている。徳川の葵はフタバアオイ(双葉葵)で、ワサビの葉がフタバアオイと似ているから「山の葵」ですね。

カラスウリ(烏瓜)の花

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2788  白亜紀の巨大足跡大旱   マープル

2022年09月10日 | 

(はくあきの きょだいあしあと おおひでり)

 先日、干ばつのため、テキサス州パルキシ川の水が干上がり、川底から白亜紀の恐竜の足跡が発見されたと、ニュースで放送された。勿論それ以前から、恐竜の足跡は中国など世界各地で発見されている。

 白亜紀とは、地球の地質時代の一つで、約1億4500万年前から6600万年前を指す。この時代は、前のジュラ紀から続く中生代の最後の時代である。温暖で安定した気候が続き、ティラノサウルスなどの大型恐竜、翼竜などが全盛を迎えたが、6568万年前に、メキシコのユカタン半島に巨大隕石が落下し、地球上の生物の七〇%が絶滅した、と言われている。

 最近、60%のヨーロッパが干ばつで、特にスペインなどでは乾燥による森林火災が多発している。又、干上がったドナウ川やライン川の川底から、足跡の他にも沈没した船や飛行機の残骸などが現れた。更に飢餓の石と言われる、渇水した年代が刻まれた岩も現れた。一方アジア各地では洪水が多発し、地球上で洪水と乾燥という異常な気候変動がみられる。

(タカサゴユリ)高砂百合

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2287  秋暑し象の花子の鏈錆び  吟

2022年09月04日 | 

(あきあつし ぞうのはなこの くさりさび)

  日本全国各地に動物園があって、上野動物園など子供たちを中心に活況を呈しているが、世界各地から希少な動物を集め、狭い檻に閉じ込めて飼育することに、私は反対する。何故なら例えば、宇宙人がやってきてあなたを捕らえ、地球という所に面白い生き物がいるといって連れてこられ、宇宙人の動物園の檻の中で展示されたら、ぞっとしませんか。

 子供たちは、大きいもの、強いもの、可愛いものが特に好きらしい。つまり動物園での人気者は、象、キリン、虎やライオン、そしてパンダ、ペンギン、ラッコ・・・なのだ。

 さてこの句、人気者の象が錆びた鎖に繋がれている。ここには象の尊厳を奪っている人間の鎖という傲慢があり、秋暑しという季語によって、象へのいたわりと共に、作者の嘆きや悲しみ、そして憤りが感じ取れるのである。

 作者によると、戦前戦後の食糧不足により、動物園が次々と閉鎖され、多くの動物たちが餓死させられた、という。アフリカのみならず、食料自給率の低い日本の国民も、気候変動や戦争などによって輸入できなくなれば、餓死させられるかもしれない。他人事ではないのだよ。

キョウチクトウ(夾竹桃)

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2286  第312回 岩戸句会 8月

2022年09月01日 | 

新涼の風遊ばせて大欅        吟

秋暑し象の花子の鏈錆び       〃

 

河底に白亜紀の足跡大旱       マープル

ヤンマ飛ぶ五百羅漢の人臭し  

 

秋めくや寝転びながらトルストイ   杏

黄昏てひぐらし鳴くや鳩も鳴く

   

有東木や川の流れと山葵ソバ     流水

夏の海加山雄三コンサート      〃

 

夏草や父祖伝来の家壊す       さくら

赤富士やまさしく赤し裾広し     〃

 

マスクしてはてさてどなた秋刀魚買う  心

命日に汗したたりて墓掃除       〃

 

富士の山逆さに有りて湖の秋     信天翁

立秋のさざなむ川瀬雄として     〃

 

炎帝や破れズボンの娘達       豊狂

墓洗うアルプス望む父母の里 

   

足をとめしばし見つめる我が秋愁   吠冲

米国の草虱国家果てるのみか     〃

    

玄関に満杯の靴盆休み        ルパン

来年も来来年も墓洗う

 

九谷焼赤の輝き残暑かな       黒薔薇

夢でもよい逢いたし煙墓洗う  

 

盂蘭盆会大雨兵馬俑語り       翠風

花火上げ赤ちゃん一心伝心      〃

  

満月や月下美人の香り嗅ぐ      伊豆山人

赤トンボ猛暑の中をはずんでる    〃

 

ぶかぶかの寝間着よろこぶ夜の秋   釣舟〃

今日もまあなんと蒸すずらそうざんしょ

 

タマアジサイ(玉紫陽花)

 

 

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2285  蜩の魂に耳預けをり  釣舟

2022年08月31日 | 

(ひぐらしの たましいにみみ あずけおり)

  YouTubeで音楽を聞くと、必ずCMが流れる。しかし、YouTubePremium に加入すればCMをカットすることができる。以前は、著作権の問題でインターネットで音楽を聞くことができなかったが、最近は視聴者が多いと、一回0,1~0,3円のギャラが入るシステムに変わった。従ってミュージシャンは、CDを売るより、YouTubeにUpして視聴してもらう方が利益が多くなったのだ。これは私達視聴者にとっても好都合で、今ではあらゆるジャンルの音楽が自由に聞けるようになった。

  更に、自分の好きな音楽のミックスリストを作る事ができる。例えば、ジャズやクラシックなどジャンル別にいくつも作る事ができる。

  以前から気になっていた「ワイヤレス骨伝導イヤホン」 人の中で迷惑をかけずに音楽を聞くのに良いのではないか?買ってみた。利点は

➀左右のイヤホンが繋がっているので紛失しにくい。

➁bluetoothなので、スマホとはコードレス

③耳を塞がないので、周りの音が不便なく聞こえる。

➃草刈りなど屋外の仕事をしながら、好きな音楽が聞ける。便利なのもができました。

 

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2284  夏雲とゆらゆら電車語りけり   翠風

2022年08月16日 | 

 線路を走るものに、汽車、電車、ディーゼル車、そして客車、貨車、列車などがあり、俳句ではどれを選択するか、定型に収めるのに悩むことがある。

 さてこの句、多分廃線になりそうな田舎の単線路を、一両の電車、実際は多分ディーゼル車であろう、がゆらゆら走っている。電車そのものが揺らめいているのだろうし、蜃気楼のように大地が暖められ、空気が膨張し光の屈折によっても揺らめいているのであろう。

 この雲と電車が語っているという。「語りけり」と断定されると、「何を語っているんでしょう」と真剣に考えさせるところが、この句の面白いところ。語るはずがないがないじゃないか、などと言ったら身も蓋もありません。

ミント

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2283  テラスで新聞昇りくる尺取虫  蠍

2022年08月08日 | 

 この句、「テラスで新聞/昇りくる尺取り虫」で分けるが自然。そこで第一に、尺取虫の登っているのが、新聞か近くのテーブルか椅子か、それとも植木鉢の枝や葉かどうかも分からない。尺取虫は、天敵の野鳥やカマキリなどの昆虫から身を守るため、木の枝とそっくりに擬態したり、襲われた時に糸を出して蜘蛛のようにぶら下がり、難を逃れることが知られている。

第二に、新聞を読んでいるのが本人か第三者か分からない。つまり、状況としての背景が曖昧なのである。ということは、我々読者は、それぞれ自由に解釈する余地を残してくれている、と解釈すべきであろう。この余地が多いほど解釈や共感も多くなるのではないだろうか。

 何でもかんでも説明したくなるのが私たちの常ではあるが、この句のように何かを省略することによって、俳句に深みや奥行を持たせることができるのではないかと思う。俳句は短詩「省略の文学」と言われる所以である。

ミソハギ(禊萩)

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2282  日向水乳房あらわに洗ひをり  釣舟

2022年08月06日 | 

 文明開化が始まった頃、アメリカ人が人力車に乗り町を通ると、人家の庭で女性が行水をしていた、という。驚いたアメリカ人は「日本人はなんと野蛮な人種だ」と思ったが、車夫も通行人も誰も女性を見つめなかった。つまり、「女性をじっと見つめ、卑猥な心を持ったアメリカ人である私が野蛮で、日本人こそ道徳的である」という結論になったそうである。

そういえば、昭和30年代の私の子供の頃、農家のお婆さんが通学路でお尻を出しておしっこをしているのを見かけたことがある。そんな光景がよく見られたのだから、昭和初期頃まで夜這いや遊郭など、性も開放的かつ道徳的だったのかもしれない。

キンミズヒキ(金水引)

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2281  第311回 岩戸句会

2022年08月03日 | 岩戸句会

テラスで新聞昇りくる尺取虫      蠍

カクテルにストロー二本夏の宿

 

尺取虫急ぎ足するボンネット      吠冲

ゆあんゆおん蝉時雨の風やハンモック 

 

夏雲とゆらゆら電車語りけり       翠風

桜島噴火尺取り虫避難

 

片陰の若き鼾や道路工         マープル

食べおえしスイカの皮の化粧水 

 

先行きのことはさておき心天      凛

雨上がる虹を渡っておいでませ     

 

青田風山里暮らしの頬撫でる      豊狂

カタカナの賢治のポエム夏夕焼

 

さーらりと解く夏帯香わしや      黒薔薇

ウスバカゲロウ羽広げ天使的

  

朝の道夕べの道も蝉しぐれ       信天翁

帯なして故郷の山夕焼けて       

 

あさがおに直哉の想いのせて観る    船山

走湯山社紋神紋わが家紋        

 

朝顔を数えて今日の始まれり      おぼこ

叱咤激励手つなぎ散歩夏の夕

 

生ビールプリプリ蛸に誘われて      心

「意気地なし」昭和の歌謡酷暑かな    〃

 

紫蘇湯掻く酢とお見合いで赤くなり    流水

冷酒や烏賊はあぶって裂いて喰い     〃

 

着る気なく捨てる気もなく藍浴衣     さくら

忍び入るバネ仕掛けめく尺取虫       〃

 

夏の夢二万年後の哺乳類         ルパン

蝉時雨仏とけ仏とけ五三八さん

   

白南風の波高なりて小舟舞う       歩智男

熱海では知らぬ人なしジャカランタ

  

赤トンボ命受け継ぎ悠々と        淡泊

どぜう喰いに出れば仲見世供養雨

 

閑けさや内耳に止まぬニイニイ蝉     釣舟

碧空に遊びて戻る土瓶割          〃

 

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