一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2020   第268回 12月 岩戸句会  

2018年12月28日 | 岩戸句会

青空と少しの元気賀状書く      稱子

着脹れて歩幅の更に小さきかな

 

昔日や寒行太鼓遠ざかる       豊春 

スマホ見つおでんほおばる女学生

 

時雨駅右も左も人の波        沙会

空続く明洞の街十二月

 

腹巻きの犬も主も着ぶくれて     洋子

濃い口の醤油にかぎる鰤大根

   

白鳥を紅に染め夕日落つ       海人

旅立てる友の多さや冬木立

 

柚子十個の香をしみじみと抱えけり   佳津

牡蠣鍋の二人前なる独り鍋

 

山畑の緑オレンジ師走来る       鞠

グラタンの熱くて冬至南瓜かな

 

着膨れて小石啄む土鳩かな       薪

介護猫サンタ姿でご出勤

                        

厚着せしサンタバイクがピザ配る    美部

色々なスクーター走る師走かな

 

着膨れた千二百兆円どう脱がす     炎火

冬便り4k8k走査線

   

四海波穏やか願う年の暮        歩智

この小豆皮かたすぎはレンズ豆

 

スーパーへ素ッピン楽ちんマスク掛け  さくら

曇天に遠き匂ひの雪催ひ

 

いらつくは軍手に絡む落ち葉かな    余白

着ぶくれの公園掃除ビニ袋

 

あれこれと焦って悔やんで年の暮    貴美

十二月あと三日ほど欲しいわね

 

枯葉降る掃き清めたる庭に降る     雲水

腰痛の日にち薬や着膨れて 

ロウバイ(蝋梅)

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1995   第265回 9月 岩戸句会  

2018年10月17日 | 岩戸句会

秋彼岸遊石俳句読み返し      海人

曼珠沙華翅休めたる黒き蝶

   

病窓の例えば水槽鰯雲       さくら

何気無い暮しにもどる秋夕

 

運慶仏の玉眼挑む野分かな     薪

哀しみはレモンのようにつんと来る

 

又一人帰燕の空に友が逝く     貴美

軒先の巣に声もなしつばめ去る

 

吹き溜る物の一つに葛の花     炎火

湯ヶ島の湯川屋傍の檸檬塚

   

風立ちて帰燕の空となりゆけり   沙会

世の無情積もる話しも白露かな

 

秋霖やきれたるままの常備薬    洋子

秋彼岸小豆あふるるお赤飯

  

燕帰る青年はベビーカーを押す   佳津

久びさに高き夜空や流れ星

 

朝一番小言の妻にレモン切る    豊春

顔被い間引菜摘める農婦達

     

初レモンゲリラ豪雨に全部落ち   歩智

独唱が大合唱に秋の庭

 

仲秋のすべての闇を月が差す    鞠

無花果にワインを入れてジャム作り

 

月明かりコスモスゆーらりゆらり  一煌

雨上がり夕には染まる酔芙蓉

     

残酷暑家に止められ句を作る    余白

都会人セミの声など耳通過

 

銀杏が参拝終えし傘を打つ     稱子

秋日和横断歩道を鳩渡る

 

目覚むるや窓打つ風は秋の風    イヨ

吹き荒ぶ秋風の波木々の波

 

十六夜やかすかに撓む水平線    雲水

黒こげの目黒の秋刀魚月の庭

ハナシュクシャ(花縮砂)別名ジンジャー

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1986   第264回 8月 岩戸句会 

2018年08月29日 | 岩戸句会

 

雨降り止まずみんみん鳴き止まず   海人

滅びゆく青き地球や鳳仙花 

   

人気無き路地に気ままの秋茜     豊春

仰向けの蝉の転がる石畳

 

金賞のシールの付いた西瓜切る  炎火

平成の最後の晩夏終活す

   

遠花火二人を結ぶ闇の距離    洋子

バジル摘む男もすなるイタリアン

 

 夏の夜や子供囃子の稽古かな   薪

紙魚走るアンネの日記捨てにけり

  

みんみんの終りがみえし揺るる夏  歩智

終戦日十五の空も遠くなり

  

残酷暑家に止められ句を作る    余白

都会人セミの声など耳通過

 

果てしなく雲ひとつ無き大暑かな   稱子

長生きを嘆く人あり遠花火

 

みんみんや冷やしパスタの出来上がる 雲水 

みんみんのふと鳴き止みし日暮かな

クサギ(臭木)

    

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1978  第263回 岩戸句会 7月

2018年08月08日 | 岩戸句会

火星輝きサボテンの花開く      薪 

「死に至る猛暑」糸尻よく洗う

炎暑帰路黄色帽子のごあいさつ    豊春

床下の猫の鼻先青蜥蜴

夕立あとどこかで魚煮る匂い     稱子

九体の仏像涼し浄瑠璃寺 

いづこより称明のごと蝉しぐれ    佳津

紅花や古へ人の野にたてり

素っぴんの園芸女子汗清ら      さくら

ペティキュアの青貝めくやプール底

炎昼や跡形も無き川の街       海人

炎天に挑むかのごとボール打つ

この夏の稼ぎ流され海の家      歩智

平成の最後の夏のこの無慈悲

生ビール念仏唱う喉仏        炎火

七夕の話序でに宇宙軍 

蝉時雨より深きもの人の声      一煌

大バケツに今年も元気蓮の花

あいさつが暑いのひと言皆同じ    貴美

今日もまた「命に関わる暑さ」です

山百合がユラユラ揺れて風を呼ぶ   鞠

コオニユリ飛び火の如し日は沖に

音かすか少し淋しき遠花火      沙会

「海の日に」生まれた娘砂時計

蓮の花寄り添いて生く我と犬     洋子

具だくさん冷し中華をもてなせり

掃くゴミの山から蟻のもがき出る   余白

街中のトンボ帰れよ生誕地

吠える犬を吠えるに任す炎暑かな   雲水

桔梗をひょろひょろ咲かす暑さかな

ヒオウギ(檜扇)

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1966   第261回 岩戸句会 5月

2018年06月14日 | 岩戸句会

梅雨空や拡声器から尋ね人      炎火 

走り梅雨隈なく箱根八里かな 

   

黒砂に黒い穴ぼこ潮干狩       薪

忍術が書いてあります落し文

 

主もどる庭の金魚が騒ぎ出す     美部

潮干狩り瓦礫のシリアに続く瑠璃

 

潮干狩おむつの中も外も濡れ     海人

夏きざすテニスコートに白の映え

   

並び見しそれだけの事遠花火     洋子

来ぬ人を待つ愉しみの鯉幟

  

初夏や若きたなこに子の生まれ    稱子

囀りや一期一会の佳き宴

 

軽鴨の向う新居はビオトープ     歩智

殿様蛙羽織袴で登城

   

ツバメらは唾液と泥で巣をつくる   余白

琵琶の実が朝日に映える馬込かな

 

さえずりや仏細目に笑みたまふ    貞次

一爆の音のたしかな夏立てり

 

海霧ふかき船さらはれし如く消ゆ   佳津

発刊の俳句手にする五月かな  

 

薫風や術後給ふも縁かな       沙会

世界中離脱騒ぎや雨蛙 

 

空と海藍色の帯夏近し        鞠

夏近し空を独占鳶一羽  

 

潔ぎよし切子ガラスに心太      さくら

梅青しやたらに猫の出るテレビ  

 

老鶯や箱根神社の杜の中       イヨ

富士を背に芦の湖静か初夏の風  

 

やりとげた湖畔マラソン五月晴れ   貴美

 

へとへとにテニスして来しサングラス   雲水

山国に生れし男の潮干狩

キンシバイ(金糸梅)

  

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1925   第259回3月 岩戸句会

2018年04月05日 | 岩戸句会

息続く限り大きくシャボン玉      海人 

葱坊主地球は青く輝きて

 

寄り道は白モクレンの咲く所      洋子 

潮騒のやさしき日なり初音聞く

 

ループ橋聳え立ちおり山笑う      イヨ

山葵田の水音やさし天城山

 

カーブミラーにトントンカラス恋の春  鞠

惜春や衝動買いの孤独かな

 

デスマスク風パックなど花吹雪     沙会

ぽっきりと折れてはいるが芽吹きをり

 

ムスカリの行進瑠璃のヘルメット    薪

花曼荼羅踏んで今生の宴かな

     

水滴も造化の一部チューリップ     炎火

石段を染井吉野の影上る

 

集まりし人を眺める花吹雪       美部

彼岸入りさくら咲くさくら散る

 

目を瞑る耳鳴り奥に春の風       豊春

ものの芽や谷間に溢る息吹かな

 

たんぽぽや路傍の割れ目あら可愛い   清海

がんばれよ声なき応援初音かな

 

美しさの中に死もありサクラ咲く    余白

つくしんぼ破竹の勢い日に一寸         

 

地鳴りのごと太鼓演奏花吹雪      稱子

髪の花びら指で払うてくれる人

 

明治人の校歌高らか卒業す       佳津

みちのくの花麩ほどけて彼岸入

 

野遊びの子は自転車を地に寝かせ    貞次

土の香に草の香も増し蝶生まる

 

渋滞の車内ぽかぽか山笑う       貴美

猫柳毛もふさふさと山笑う

 

神隠しの入れ歯と眼鏡山笑う      雲水

椎茸は木陰に伸びて初音かな

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1916 第258回 2月 岩戸句会  

2018年03月02日 | 岩戸句会

春霞沖行く船のエンジン音     海人 

野には野の海には海の春来たり

     

表札を持たされている雪だるま   歩智 

美容室どの鏡にも黄水仙

 

春の宇治飛び跳ねている好奇心   さくら

菜の花忌行きつ戻りつ時空旅

 

したたかな軒の氷柱や宿明かり   いよ

初雪を眺めてしばし白き闇

 

もぞもぞと貝よく動く四温かな   貞次

日脚伸ぶ太極拳のゆるやかに   

 

待ち針のパールが光る針供養    薪

凍空の皆既月食酔うており

     

骨董市より我家に来たる豆雛    稱子

手鏡に映る背丸し二月尽 

    

日溜にむしろをひきて梅ソフト   美部

寒桜目白とカメラが目白押し

 

薄氷の鉢に被せしやつれ茣蓙    豊春

春きざす鴎群立つ観光船

 

春寒しスカーフ一枚首に足す    清海

春きざすうっすら桃色山の峰

     

風呂吹や舌喉胃まであっつ熱       洋子

焼き芋は英字新聞にまかれおり

 

ゴミ置場小児マスクの数減りぬ   炎火

春の海豪華客船横たわる

 

手袋を狐に似せて塀に下げ     余白

公園も冬ざれ誰も訪れず

 

遠来の友を帰さぬ春炬燵      鞠

春寒の海際凛と一羽鷺

 

河豚鍋の湯気あいづちの聞き上手  佳津

和菓子屋のはやばや春の和菓子かな

 

打たせ湯も散って秘境の朧月    沙会

夕焼けてサーファー染める磯の春

 

雪掻きをしてもやっても雪積もる  貴美

やっと春ついに来た春これで春

 

鶯を空耳で聞く二月かな      雲水

陶雛の見つめる宇宙兜太死す

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1907   第257回 1月 岩戸句会

2018年01月29日 | 岩戸句会

日金山の閻魔と婆に御慶かな     薪 

たっぷりと墨を吸わせて吉書かな

   

どんど焼両目を剥いた大達磨    炎火

門松や巡航ミサイル発射管

 

コンテナに中古自転車初荷かな   稱子

きらめける雪原にある日の匂ひ

    

寒の水音たて続け飲む仔犬     洋子

落ち椿しばし品位を保ちおり

 

寒椿老人ホームに寄り添いし    豊春

どんど焼大童なり老爺連

 

春を待つ湯気ほのぼのと朝の粥   歩智

初夢をつつにまるめて覗きみる

 

引き籠り靴を磨いて春を待つ    美部

枯野原酔狂どもが球を打つ

 

何隠すふくら雀の胸の内      海人

マラソンの汗と涙の三日かな

 

賀状見て一年の無沙汰思い知る   清海 

長引くや年末年始の風邪っ引き

 

冬トンビ三浦の山野豊かなり    余白

清き雪世塵にまみれ路の端

 

寒凪の沖の漁船の動かざり     佳津

背も越され返事短し寒雀

 

海に出て鳶の輪大き初御空     貞次

荒海や大口開き鱈競られ糶られ

 

愛と書く少女のこころお書初    沙会

大寒や大いなる闇動き出す

 

強情は生きいし証鮟鱇鍋     雲水

朝四時の吾を産みたる寒さかな 

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1896   第256回  12月 岩戸句会

2017年12月25日 | 岩戸句会

諦めの時間賜る木守柿       薪 

やわらかき羽音掠める冬ベンチ

  

寒卵割って朝から頑張るぞ     清海

水仙の香りも強し仏様

 

冬銀河地球は塵のひとつなり    海人

この灰は我家の歴史古火鉢

 

口重き医師の話も年の暮      沙会

鼻水が言葉の先の出会いかな

 

似顔絵の若さ横目に年歩む     佳津 

厨辺にはんなり待てる柚子のあり

 

マネキンの赤い手袋虚空指す    炎火

湖に真っ逆さまの冬の山

 

虎落笛袖を伸してバイク人     美部

ストーブの前で軍手が湯気あげる

 

枇杷の花いよよ幻想多き母     洋子

花八つ手両手で包むマグカップ

 

糠と塩勘が頼りの大根漬け     豊春

唄尽きぬ老人会の冬日向

 

古暦通院メモの増えており     さくら

数え日や主夫能力に期待寄せ

 

十二月二十三日何の日に?     貴美

なぜだろう富士を見てるといやされる 〃

 

十二月どっと広告多くなる     鞠

極月の師走の喧騒月冴る

 

枯れ葉去り天窓空いて顔さむし   余白

前屈み急ぎ歩きの年の暮れ

 

玻璃磨く一片の雲冬の空      稱子

手をつなぐ時手袋をはずしけり

 

人生の残り火数え柚子湯かな    雲水

風邪引いて五日続きの生姜酒

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1882   第255回 11月 岩戸句会  

2017年11月29日 | 岩戸句会

野良猫の抜け道示す石蕗の花    豊春 

木枯や波に乗り来る豆腐売

 

片隅に暮らす気安さ石蕗の花    佳津

日の光風の詩聞き掛大根

 

冬茜餃子カリッと焼き上がる    洋子

スーパーに溢るる孤独蜜柑買う

 

寒の凪ひとときにして白波に    海人

武士の儚き夢や枯野原

 

人波に熊手漂い鯛踊る       歩智

かさかさと落葉踏む音活きる音

 

冬ざれや探しもの又探しもの    沙会

沈む日に赤を濃くして冬紅葉  

 

天空に穴の開きたる冬の星     清海

シクラメン去年の株が花盛り   

 

冬の海遥か夕日の落つ早さ     稱子

冬三日月に掛けて下界を眺めたし

  

石蕗の花隣余生の音ひそか     貞次

膝に乗る猫の体温小六月    

 

老木も負けず錦の紅葉かな     貴美

里は霜冨士は肩まで雪化粧   

 

肝心な話も逸れてきりたんぽ    さくら

冬の月めぐみちゃん喚ぶ母強し 

 

金芒はるかなる友思い出す      鞠

立冬のお茶事の着物山写す   

 

蒲団干し叩かれている風邪の神   雲水

寒波来る雪や氷は次の便

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1862   第253回 9月 岩戸句会

2017年10月03日 | 岩戸句会

核怖し赤く尖って唐辛子      薪

癒え兆し爪切る音の秋天へ 

 

畑隅の自ずと生れし唐辛子     豊春

山霧の洋館前のワンピース

      

花野行く自然治癒力信じつつ    洋子

秋刀魚焼く母の晩年満ち足りて 

 

イヤホンのパーシーフェイス秋の月 炎火

目の子算十匹までの赤とんぼ

  

秋麗や三年振りのタキシード    海人

子の残す秋刀魚のわたの苦きこと

   

口にも降臨島とうがらし台風    美部

我ならん干からび光る唐辛子

  

鮮やかな赤にうつろう唐辛子    清海 

おろし添え小ぶりな身なり初秋刀魚

   

林立のクレーン串刺し秋の雲    歩智

秋雨や半島おもくなりにけり

 

終り無き鎮魂の夏や七十年     侠心

薬研堀その名残れる七味かな

 

とろどりのコスモス柔き風の中   稱子 

どんと買う秋の味覚や道の駅

 

住職も塔婆も変わり秋の暮     沙会

鳥の声物音までも秋澄めり

 

立話一抜け二抜け秋日影       さくら

家路へのメロディ沁みる秋時雨

 

ボトルより飲む名水や銀河濃し    貞次

心音の乱れ無き夜の鉦叩き

 

一滴のレモン汁効き今朝の秋     佳津

白木槿咲き継ぐ郷を思ひつつ

 

きりぎりす地蔵の鼻をつかみ鳴く  雲水

山雀の争う貌や秋の暮       〃

シュウメイギク(秋明菊)

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1853   第252回 8月 岩戸句会 

2017年08月29日 | 岩戸句会

夏の果主のいない水鉄砲       美部

虫の殻萎んだ浮き輪夏の果

  

黒山は解体作業中の蟻       炎火

大菩薩峠に被さる銀河哉

        

夏の果ゴミ収集の金属音      海人

カナブンブン飽くなき挑戦夜の窓

 

氷水食べ比べたる軽井沢      清海

風揺らぐ誰と結ばん水引草

   

雲脚の波に乗りたる秋茜      豊春

鬼やんまフロントガラス覗き行く

  

生存てるよ獺の叫びは幻聴か    侠心

軽鴨の母さん得意雛七羽

   

冷奴ひやし茶漬に日向燗        歩智

新じゃがを待つ冷蔵庫隙間あけ

  

オルゴールのぜんまい切れて夏の果    薪

アンドロイドに瞬き生きる星まつり

  

百日紅アスファルト道二度目咲く   余白

セミが鳴く不協和音が命なり

 

地球びとへ警鐘のごと雷鳴す        稱子 

夏旺んヒアリミサイルヤマカガシ

 

石畳しみじみ語る秋の旅       洋子

 

灯を消して君を招かむ盆の月     雲水       

空蝉を紫蘇の葉裏に秋立てり 

ミント

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1845   第251回  7月 岩戸句会  

2017年08月01日 | 岩戸句会

祭りの夜裏で汗するボランティア   清海

白桃の滴る蜜をすすりけり

 

せせらぎでしばし涼まん犬の舌   洋子

初蝉や窯焚き仲間に加わりし

 

炎昼や読経野太き尼導師      豊春 

背の赤子ネムネム眠れ合歓の花

 

姉妹に微妙なる距離遠花火     稱子 

サングラス夏帽子さあ出掛けます

 

空海の修行の窟蝉時雨       炎火

猫二匹小犬一匹跳ねる蚤

  

からころと金魚の浴衣通り過ぎ   海人

夕暮の小川に蚊食鳥群れて

 

葉は眠りおん身は醒めて合歓の花   侠心

狐雨大虹かかる梅雨さ中

 

天上の楽きこえくる合歓の花    薪

夏雲が描く車窓の大画面

 

水をやるトマトの香り湧き出づる  余白

這い出した所で命定まる蝉

 

赤白の糸の眩しき夏の空      美部

遠囃子オヤジ早足子はスマホ

 

誰そ彼の初蜩や窯火燃ゆ      雲水

梔子の白を盗みし女かな 

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1836   第250回  6月 岩戸句会

2017年07月05日 | 岩戸句会

父の日や本屋床屋と縄暖簾    豊春 

ビル谷間社を覆う夏木立

 

父の日の話も無くて八十路かな  侠心

ふうわりと鷺高く飛び梅雨真近

 

俎板も食器も白く更衣       洋子

美しき脚の増えゆく梅雨晴間

     

オリーブの花ほろほろと物忘れ  薪

雨降山威儀を正せる植田かな

  

梅雨晴間家中風の駆け抜ける   稱子 

天空の青より青し濃紫陽花

   

二百個のさくらんぼたべ姉逝かん 歩智

雨戸開くちょっと可愛い守宮落つ

    

パレットに額紫陽花を搾り出す  炎火

藪枯し鉄を手にした弥生人

      

サマードレス君の鎖骨に恋をして 海人

青嵐湖面に描く風の道

      

炎昼にうつらうつらと猫になる   清海

アジフライ美味しくなあれ小骨抜く

   

車窓より見える早苗に祖母思う  余白

幼柿保護色となり実り待つ    

 

山に住み都忘れの株増やす     雲水

伽羅蕗の黒きひかりや冷やし酒

シモツケ(下野)の紅白

オオバギボシ(大葉擬宝珠)

 

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1740   第241回 九月 岩戸句会 

2016年09月28日 | 岩戸句会

友見舞う背につくつく法師かな   海人

鰡飛んで遥か雲仙煙吹く 

東京都釣瓶落としとなりにけり   炎火

菩薩から阿修羅となりし秋の川

行き交へば日傘をちょっと傾けり  章子

我の身に月日流れぬ夏の夜

コスモスや糸調子良きミシン音    薪

蚯蚓鳴く静寂飛び交う宇宙線

 諧調のテニスの音や秋麗      豊春

宗達か雲と稲妻大騒ぎ

移ろいのぽつり秋蝉誰に鳴く    SEINO

まえ翠とおくは碧秋の朝

 

鰯雲海より出でて海に入る     歩智

秋夕べ流るる雲は水墨画

十六夜が私の海に昇りくる     洋子

犬一匹女一人に蚯蚓鳴く

 函南の郷のシュールや曼珠沙華   侠心

赤きテロ里山に満ちて彼岸かな

名月が黒い車の屋根の上      余白

霧雨の馬込の里に蚯蚓鳴く

 秋灯寄り添ふ文の二通ほど     稱子

秋草のさもなき雨に垂れてをり

蚯蚓鳴く雨風止んで日も暮れて   雲水                  

雨降れば降るほど元気蚯蚓鳴く

ニホンヤモリ(守宮、家守)

シーボルトが新種として報告したため、japonicusと言われている

 屋外に建て掛けておいた、パラソルの中に休んでいたらしく

パラソルを開いたら、驚いて床に落下した

目が赤いのは、その時に打って内出血したらしい

ごめんね

 

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