雨蛙尿とばして田に帰る 鼓夢
渓谷の空より明けて山法師
都市化するベッドタウンや雨蛙 炎火
風立ちて戦戦戦ぐ鯉幟
腕を組み悟りを開くか雨蛙 清海
はば海苔を干す手休めて道案内
寄せ返す悔いのごとしや赤潮は 薪
青蛙のぞいているよ子供部屋
朝凪や海神の町目覚めたる 海人
山若葉緑黄緑深緑
指先に雫の飾り雨蛙 美部
通り雨わらべ見守るアマガエル
はつかえるクックとのどを震わせて 歩智
ダービーや取らぬ狸の皮算用
病む脚を鍛え鍛えし樟落葉 豊春
百足追う小鳥戯れ舞跳ねる
野良着着て卯の花腐の合間待つ 洋子
ぱっちりと目を合せたり雨蛙
さぼてんの微醺一夜の命かな 侠心
いのち昇る高木の梢一葉まで 一
目に青葉雀飛び降るエサ台に 余白
公園に箒目残し夏日待つ
烏城より望む家並桐の花 稱子
天空の青より青き濃紫陽花
バーボンの香り漂う青嵐 雲水
若葉影のこのこ狸とことこと
ニオイバンマツリ