この句を「墓が春嵐に微動だにせず」なんて当り前のことじゃないか、と解釈したら、少しも面白くない。しかし墓は、父母の眠る墓である。そこで私は、作者の意図を考える。
「微動だにせず」は、墓に掛かるのではなく、父母に掛かっているのではないか。ということは、本来「微動だにせず父母」終止形ではなく「微動だにせぬ父母」連体形でなければならない。
しかし、「微動だにせぬ父母」に直せば良い、と言っているのではない。この句のままで良いのだ。何故なら直してしまうと、読者から考えることを奪ってしまうからだ。
スノードロップ
雪が融けて滴り落ちる「雪の滴(しずく)」君は素敵な名前をもらったねえ