一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2112  第279回 11月 岩戸句会 

2019年12月07日 | 岩戸句会

神の留守作り置きして旅に出る   パピルミ  

冬の海中鰯キラキラ頭上を通る

 

烏瓜飾り路上の生活者       薪

短日や兎土偶に尻の穴

 

冬の朝ぐっと近づくランドマーク  さくら

咲き初めて石蕗に移ろう季節かな 

 

冬晴や三界一望透かしをり     沙会

息止めて又咳ひとつ枯芙蓉

 

コスモスや遠い記憶の廃校よ    鞠

ゆっくりと踏むサクサクと落葉かな

 

朝夕の温度差知りぬ冬始め     イヨ

からからと風と去り行く落葉あり

 

秋風や豆腐コトコトネギ生姜    裕

湯豆腐もいつもの鍋で無精者

 

休航のマスト奏でる北風かな    海人

目白鵯雀集いし子守柿

 

喜より怒を俳句にせんと冬の旅   炎火

なけなしのスタミナを削ぐ濡れ落葉

 

今朝の冬レジに居並ぶ婆と爺    豊春

枯蟷螂呼び鈴抱え動かざる

 

面取りのやや雑となり鰤大根    歩智

終活の準備せよとの妻の声

 

さざんかや咲き乱れては散りたがる 洋子    

ひと筋の蔦にすがるや烏瓜

 

老夫婦手を取り運ぶ冬野菜     余白

陽だまりの子規庵囲むラブホテル 

 

草花にかすかな湿り今朝の冬    稱子

一刀両断薪一回転の着地かな

           

初氷割るや小鳥の水飲み場     雲水

小鳥来る旅立つ夢の実万両

 

コメント
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