春風や笑うおばばの歯は二本 海人
芭蕉さえ詠めぬ松島春の海
つくしんぼ大切なもの何と何 凛
クレパスは八十八色山芽吹く
深海魚ニギス空揚げ春来たり パピルミ
春兆す朝焼け山を三色に
チューリップスカートふわり座る人 洋子
薄紙を取りて目合わす内裏雛
春寒や枝一粒の真珠雨 沙会
髪乱し待ち人来たり春一番
春風や送電線は鳴り止まず 豊春
春の庭背伸びの猫の赤リボン
若き日のことなど話し二月尽 さくら
寒明けや緞帳あがる心地して
節分の千切れ雲から陽がこぼれ 裕
日脚伸び畳の縁の影日向
春立てど風の啼く道夕の帰路 イヨ
笠雲の雪の富士山近く見ゆ
ただの風邪咳をするにも気を遣う 歩智
おみくじの咲いてる小枝梅一輪
いつの間に庭一面に春の花 鞠
節分のコロナウィルス鬼は外
髪乱し待ち人来たり春一番 貴美
コーヒーの窓辺を鳴らし春一番
春風で身近のうわさ拡大し 余白
春風がしがみついてた実を落とす
寒明けや軋む扉に油さす 稱子
受験子にことば選びて応援す
節分や追われた鬼はどこにゆく 炎火
水の音昨夜の雪の名残り哉
歩道橋は街の浮橋春の雲 薪
浄水流す街の小川や陽炎える
椎に椎茸桜になめこ菌を打つ 雲水
穴窯を見に来て数多蕗のとう
ヒメオドリコソウ(姫踊子草)ヨーロッパ原産の帰化植物。北アメリカでは侵入植物として扱われる。
旺盛な繁殖力を見ると、日本でも警戒が必要である。