一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2991  春立てり波の潮目に吹く風に  吟

2023年03月09日 | 

 飛鳥時代から江戸時代まで、日本の暦は、いわゆる旧暦の「太陰太陽暦」だった。地球を回る月の運行は、29,5日なので、ひと月を29日、又は30日と決めていた。一方、太陽を回る地球の運行は、一年365,25日で春夏秋冬が決まる。従って、月の運行で一年を決めていると、季節が合わなくなっていく。その誤差を修正するために、閏月を設けなければならず、2,3年に一度、一年に13カ月の年があった。

 明治5年に明治政府は、太陰太陽暦を太陽暦に改めた。おかげで四年に一度の閏年だけで済むようになったが、太陽の運行による新暦の24節気と、月の運行による旧暦の節句とがあって混乱してしまった。

 未だに年賀状に「新春」と書くのは、旧暦では一年の始まりが立春の頃だったからだ。従ってこの句は、作者が旧暦の元旦を迎え、潮目や風に新年の神々しさを感じ取った句だ、と言えるだろう。

シキミ(樒)別名「シキビ」「ハナノキ」「ハナシバ」「ハカバナ」「ブツゼンソウ」「コウノキ」「コウシバ」「コウノハナ」「マッコウ」「マッコウギ」「マッコウノキ」

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