「山笑う」とは、まず春になり、木々の蕾が赤く色付き山全体が膨らんできた様子を言う、更に山桜など木々の花々が咲き、むくむくと山全体が更に盛り上がって見える様子を言う。今ちょうど、ヤシャブシが咲き出している。
一方、作者の財布は、クレジットカード、ポイントカード、SUICAなど様々な物を買うためのカードによって膨らんでいるというのだ。その中では特に、ポイントカードが多いだろう。ポイントカードを作って売る販売戦略に乗せられているのは、第一にスーパーなどの小売店舗であり、第二に使う私達消費者である。この便利なカード社会に抗うのは、消費者が夢中になる限り、かなり難しいようである。
本来不必要なカードを作って売る商魂によって踊らされている消費者ではあるが、財布を膨らませて結構楽しんでいるようだから、カードは必要な遊びであり、今に至っては生活必需品なのだ。
一方、将来予測すれば、現在カードは滅びつつあります。カードはスマホの中、つまりネットの中に保存されつつあります。メールが出現し手紙や葉書が不要になったように、アマゾンが出現しデパートなどの小売店舗が閉鎖に追い込まれたように、カードは無くなりつつあります。インターネットがこの社会を、人間を変えつつあるのです。
おっとっと、インターネットで変わらないものが、まだまだ沢山ありますのでご安心を。しかし、よくよくご注意を!!
この句、作者が膨らむ春の山々と、自分の財布の膨らみを比べているところが妙。一体、人間はどこに向って進んでいるのだろう、という問いを私達に問いかけているのだ。 合同句集「天岩戸」より
ホトケノザ(仏の座)