一韶の俳句ブログ

俳句を詠うのは自然・私・家族・夢や希望・社会など。読む時はどんな解釈が浮かぶか読み手の経験や生活によって様々

2272  第309回 岩戸句会   五月 

2022年06月04日 | 

五月雨や熊本城の天守閣         沙会

濃淡の阿蘇の新緑描く筆         〃

 

ふんわりと産毛残して巣立ちたり     歩智

梅雨どきとはいえ昨夜の豪雨かな

  

あじさいやエンディングノート書き直す  洋子

夏みかん唇指もしたたりて 

 

夏空や右折車線は渋滞中         光子

蜥蜴居て一オクターブ上がるキャー    〃

 

鶯もお国訛りや三千院          凛

ガーベラに見つめられてる昼下がり    〃 

 

トマトの輪切りボヘミアガラスの皿    炎火

紫陽花の国道を切る配管工 

 

遠き日の我と行きかふ夕焼雲       さくら

回り道して万緑の中に入る         〃

 

蝶の口出水の後の土を吸う        薪

販売車の弾む音楽万緑へ

 

さえずりに揺れて応える若楓       鯨児〃

麦嵐波涛につるむ風の神 

    

野原でスキップランラン夏来たる     一煌

花間近為朝ユリの息づかい

 

夏の蝶屋根越す毎に裏返る        豊春        

万緑や森に溶け込む石仏         〃

 

静けさの万緑の寺鐘の音         イヨ

穀雨来て野道賑わい風渡る        〃

 

初夏になり鮎川戻り海静か        鞠

一面に蜜柑の花や香水瓶         〃

 

公園の泉水跡に八重桜          余白

妻拝す月下美人に何願う

 

日が暮れて命のかぎり蝉時雨       忠人

雨に濡れ香り色付く牡丹かな       〃

 

万緑や赤傘野点沢求め          黄玉

野薔薇道越えて歓声溢れけり       〃

   

逃げ延びた金魚を売って下さいな     雲水

新茶汲む二煎三煎八雲もち        〃


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