はちきんizyのアメリカ丼

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遺灰はどこに

2019-12-09 | ホスピスボランティア

 

山口さんのベッドサイドに座って日本の唱歌を流していると

ホスピスで音楽療法士をしておられる方が楽器を持って入って来られた。

 

この日は夕方の5時半までボランティアの人の名で埋まっていたので

5時半に戻って来ることにし

2時半に来られたその音楽療法士とバトンタッチした私は

軽食をとりに外に出る事にした。

 

ご家族のいない山口さんの遺灰の行先が気になっていた私は

それを訊きに老人ホームで役職をされている方の部屋に入った。

 

まるで家族のいない患者さんは山口さんが初めてでもあるかのように

 

”そうね どうなるか わからないわ。” と言われる

 

”でも火葬はされるんですよね。” と訊いた私に

 

”ええ まあ”  と力ない応えが返って来る。

 

山口さんの持ち物は多分 全て

ゴミと一緒に捨てられるんだろう  と思った私は

 

額に入った山口さんの写真が頂けるか 訊き

軽く頷いた彼女に

 

”忘れないでくださいね。”  と言って部屋を出た。

 

 

軽食を終え車に戻ろうとした時

 

最期を看取るプログラムの責任者であるジュディーさんから

 

”患者さんが亡くなられた為 キャンセルされました。” と

電子メールが届いた。

 

 悲しみはなかった。

 

死期をすぐそこにされていた山口さんが

身体的な苦しみから解かれた事に安心する想いが大きかった。

 

 

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5 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様でした (ままちゃん)
2019-12-10 03:36:43
ホスピスのヴォランティアとして、次の10項目を満たしていることが大切だと思うのですが、Izyさんは、みなこれを満たしていらっしゃると思います。

1.共感
2.敬意
3.献身
4.感情的不屈
5.奉仕重視
6.利他主義
7.信頼性
8.謙虚
9.勇気
10.活気

これらのいずれかが欠けていたら、とても冷静に平安のうちにお仕事を遂行することは難しかったと思えます。山口さんは、安らかに逝かれて、この旅立ちに御家族や御親戚は誰一人いらっしゃらなくとも、あちらで、お迎えされたことと思います。短い間でもIzyさんにお会いできて嬉しかったことだと思います。最後に幼かった頃の山口さんの日本での思い出に沿ったことをなさったIzyさん、お喜びになったこと信じています。さようなら、山口さん、安らかにお休みくださいませ。
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Unknown (ふき)
2019-12-10 05:03:10
山口さま心安らかにお休み下さい
さきに書かれていた日本の童謡のくだりでは 
涙して読んでいました
イジーさんが山口さんのそばにいて下さって
本当によかった
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Unknown (ree)
2019-12-10 06:08:22
山口さん、お亡くなりになったんですね。
最期の時に日本人であるイジーさんに出会ったのは、山口さんにとっては最高の最期だったと思います。
ご冥福をお祈りします。
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Unknown (Neko★)
2019-12-10 07:41:12
山口さんのご冥福をお祈り申し上げます。

ご苦労様でした。
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Unknown (小父さん)
2019-12-10 15:27:22
>ご家族のいない山口さんの・・・

そうでしたか、養父や養母は居られないとしても寂しいものですね。
その場に現れたイジーさんに逢えたことはとても嬉しいことだったことでしょう。

>”ええ まあ”  と力ない応えが返って来る。

どこまでも寂しいですね。

>身体的な苦しみから解かれた事に安心する想いが大きかった。

そうですね。
イジーさんも貴重は体験をされたと思います。

山口さんのご冥福をお祈りします。
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