恐懼に堪えない日々

【恐懼】(きょうく)・・・ おそれかしこまること。日々の生活は恐懼に堪えないことばかりですよね。

あわや海の藻屑に

2005年09月11日 | 二輪/四輪車とか
ついにやって来た衆院選挙ですが、私も例に漏れず行って来ました。
んでもって5分で投票を終えたらその足でツーリングへ。
行き先は相変らず、千葉県を目指して進んで行きます。
山らしい山がほとんどないない千葉県においても、
房総半島の中央部へ行けばそれなりに山林地帯が広がっており、
特にこの養老清澄ラインはちょっとした峠気分が味わえるのでお手軽です。
本当ならもっと遠くの伊豆とかそういう所までいければいいんですがね。
山間部は都心部とは違って少々涼しく、交通量も少ないので快適に飛ばせます。
迫り来るカーブを右に左に身を倒して走る時ほど楽しいことはないと思います。
そう。こうして無事に峠を切り抜けて適度に観光し、
まったりと家まで辿り着くことができれば今日もいい一日であるはずでした。

峠を越えて市街地に入り、休憩をはさんで再び出発し、
海のすぐそばを走る狭くカーブの連続する区間に進入し、
ふと視界が開けて海が一望できるカーブに差し掛かった時に悪夢が起こりました。
狭い割にそこそこスピードも出していた私はほんの一瞬、
その海の方向へ視線と意識を向けてしまったために、
次に来るカーブに対応できない状況にあることがわかったのです。
ヤバイと感じて咄嗟に強くブレーキを踏むとロックしてしまい、
路面が濡れていたこともあってタイヤが勢いよくスリップし、
自然界の法則にしたがってどうすることも出来ないまま、
バイクは右に倒れて私ともどもド派手に転倒してしまいました。
幸いにして交通量が少なかったので後ろから車が来ることはなかったのですが、
倒れて滑走したバイクはガードレールと地面の間に挟まってしまい、
一人の力ではどうにも引き出せない状況になってしまいました。
もしこのガードレールに引っ掛かっていなかったら、
私とバイクは眼下に広がる崖に転落していたかと思うとぞっとしますが、
一人で何とかバイクを引きずり出そうとしている光景を目にしたのか、
後ろからやって来た軽自動車の兄ちゃんが降りてきて、
一緒になってバイクを引きずり出すのに協力してくれたのは本当に感謝感謝。
怪我はないか、とかバイクは大丈夫か、とかすごく親身になって戴き、
さらにはこの近くにあるバイク屋の所在まで教えて去っていきました。
やっぱりピンチの時ほど人の暖かさを感じます。

肝心のバイクは何とか自走は可能ながら、ヘッドライトがあらぬ方向を向き、
ハンドルが曲がってしまうというような状況でした。
早速さっきの兄ちゃんに聞いたバイク屋へいってみたものの、
やはり個人のバイク屋は日曜休業というわけで、残念ながら何もできず。
安房鴨川という不慣れな地でどうしたらいいのかさっぱりわからず、
千葉で唯一思い当たる市原の大型バイク店へ向かうことにします。
転倒した後のバイクなので、調子を見つつ運転していたおかげで、
最短ルートを通っても1時間半近くかかる道程を何とか消費し、
挙動不審なバイクは市原のピットへ入庫させることになりました。
希望を言えばその場で完全とはいかなくとも走行に支障がないぐらいの、
応急処置ぐらいはして欲しかったのですが、閉店間際ということもあり、
どうせここに入院させるなら修理も完璧にしてもらおうってことで、
自宅から遥か離れた千葉県市原市にバイクを入院させ、
私はおめおめと電車で帰宅することになりました。

バイク屋から内房線の駅までは結構距離があるのですが、
ちょうどバイク屋の店員さんの一人が仕事を終えて帰宅するところで、
「ついでなんで乗っていってくださいよ」と気前のいい申し出があり、
愛車の軽トラで最寄駅まで送っていってもらいました。
んー、ここでもやっぱり人の暖かさというのを感じましたねぇ。
まぁそれにしてもバイク用の装備で電車に乗るのは恥ずかしいもんです。
ヘルメットは店に預かってもらったのでまだマシですが、
反射帯のついた長袖のメッシュジャケットで電車に乗ると嫌でも目立っちゃいます。
結局は電車を乗り継いで自宅に帰ってきたのが午後の九時過ぎ。
またバイクを引き取りにいくがとっても面倒ですが、
やはり愛車ですからね。元気になった姿で再会したいものです。
バイクはボロボロなのに私は意外に擦り傷だけで済んだのも奇跡っちゃ奇跡です。

恐懼謹言。
コメント (1)
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