Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

青い信号

2016-09-22 17:52:28 | 日記

 さて、表に出てみると、前にかー君のお母さまが待っていた所にやはりお母さまがおられます。

私は何となくそこにお母さまがおられるだろうと予想していました。

やはりおられたと思い寄って行きます。

「あなた、この前言ったでしょう。私の言った事が分からなかったの?」

あなたはそんな子じゃないでしょう。というような感じで、やや厳しい口調で仰いました。

私はそう言われてるのももっともな事と思いながら、

「すみません。今日が最後のつもりで来ました。」

と、話し始めます。

 かー君は、多分もう私の事が嫌いになっただろうし、来ないにしても、急に打ち切るよりこの方がよいと思って今日は嫌われる為に来ました。と話します。

以前私が急に友達を止めた人から、急に打ち切られる人の事も考えてよと言われた事。

それで、何かしら愛想尽かしした方がよいと思った事を伝えました。

 お母様は表情を和らげて、そうね、あの子の為に来たの、と考えておられましたが、

「いえ、家の子の場合はすぐに打ち切ってもらった方がよいの。この前言ったようにもう来ないでね。

あなたの事が心配だから。

再度、そう仰るのです。

 私はお母様にそう言われると、子供である自分の目より、かー君の親であるお母様の目の方が確かだろうと感じます。

分かりました、もう来ませんとはっきり約束して指切り、私はすぐにお母さまから離れ、家路についたのでした。

 帰路の途中には信号機のある往来がありました。かー君の家からそう離れていません。

すぐに帰りたかった私でしたが、赤信号に引っかかってしまいました。

待つのももどかしいのですが、じーっと信号を見上げていると、赤い色、青い色、もうすぐ点くだろうランプの消えた緑

その安全な進めの色が点るのをじれったく待つ、そして期待する気持ち。安全でいて欲しい。

私の心情にも危険、止まれ、安全、注意して進め、様々な言葉のシグナルが点ります。

 赤、危険、今の内に止めよう。今の私のかー君との交際のよう。

注意して黄色、十分注意しよう。

、安全、本当は緑色、それでも左右を見て注意して進もう。

そう、折角お母様が私の事を心配してくださったのだから、私の為にもこれでよいのだ。

ずーっと安心安全なかー君でいて欲しい。

 思えば、赤いイメージであったおー君と、心和んだかー君は青い色、緑の薫風の季節から始まったかー君との交友に別れを告げる今

一つの区切りの時と、緑の明るい信号を見上げると、私は注意深く左右を確認してから、横断歩道に足を踏み込み、一路家路を急ぐのでした。

 


最終日

2016-09-22 13:24:32 | 日記

 さあ、頑張ります。

にこやかに何時ものお部屋に入ります。今日はかー君も何となく明るくにこやかでした。

玄関先まで来ていて迎えてくれたものです。

 かー君は何時ものように机に向かいます。嬉しそうに振り向いたりしていました。

私は本には手を出さず座卓に座り、お邪魔虫宜しくぽつぽつかー君に話しかけます。

弾みが付くとお喋り、成り行き任せにねえ、ねえ、と言った感じで話しかけます。

かー君の様子など全く気に留めず、わざと無頓着に茶々を入れます。 

 流石に、勉強の邪魔だったようです。

黙っていてねと言われると、口を閉じて体の方を動かします。

バタバタと、畳の上ででんぐり返り、などもしたかもしれません。マット運動が得意でした。

お行儀悪く、お行儀悪くと取り組みます。

 流石に勉強する環境ではないと、かー君がこちらに向き直って話に来ると、

あれは嫌、これは嫌、というように話の腰を折ります。

世間話の下世話な面白いものを話します。

はははははといかにもの馬鹿笑いをします。

私にとっては思いっきりの満面笑みの笑顔です。

ははははは、と、此処で

「私、今日は用があるから、もう帰るね。

と、私の方から早めにお別れの挨拶をします。

さようならと帰ります。

 多分、こういった事をしたと思うのですが、もう覚えがありません。

 


波紋

2016-09-22 11:49:40 | 日記

 今まで私が断られなかったという事は、今までの私はそう嫌なタイプではないのだと結論しました。

今までの逆の行動をすればよいのだと閃きます。

静かに本を読んでいる、大人しくはにかんで微笑む、バタついたりしない、帰る時間だからと言われるまで、こちらから何も言い出せないで長居する

何かにつけてあなた任せの受動態でいたのですから、この逆をすればよいわけです。

 私は特に猫を被っていたわけではありません。自然にそんな感じいた物です。

分別がつく頃から遊びに行くようになったお家ですから、お行儀よく少女然としていた訳です。

 さて、放課後、何時ものようにこんにちはとお店から入ります。

この頃は店員さん達も躊躇している感じでした。困っていたのです。

 「取り次ぐと旦那さんに叱られるし、言わないと坊ちゃんに叱られるし、私達どうしていいか分からないわ。

この時言われた言葉かどうか覚えていませんが、そう確かに言われた事があります。

私は将来此処へは来なくなる訳ですから、彼女達の悩みもその内解消すると思うと、私は黙って微笑みました。

ちょっと寂しい微笑みです。店員さん達にもお世話になりました。