いつも優しいかー君でしたが、何だか段々怖くなって来ます。
まさかね、と私は思うのです。が、一旦気になりだすと、過去の何でも無い事でも気になって来るものです。
折に触れて気になっていた事が段々思い出されて来ます。
かー君が飼っていた子犬が急に亡くなった事。
父に不美人と言われ、あまり外出するなと言われてしょ気ていた時、その話をかー君にした後、父が銭湯から帰ってくると顔に怪我をしていた事。
髭剃り中に打つかって来た子がいたそうです。こんな事初めてだと言っていました。父にお前に関係あることじゃないかと言われてドキッとしたものです。
遊びに行った場所で、ばったりかー君に出会い、彼に行かない方がいいと言われた場所に行くと、無数のトンボの羽が地面に積もり風に舞い上がっていた事。本体が傍に固まって積み上がっていました。
空恐ろしい光景で、あんなものはその後見たことがありません。
行かないように言ったのに、やっぱり来たんだ。と、いう声に振り返ると彼が戻って来て私の後ろに立っていた事。
かー君のお家で、花瓶に差された新しい花束をふと何気なく持ち上げると、茎が短く切り込まれていて、花瓶の下の水までかなり距離があり、花が全く給水できない状態になっていた事。
そんな事が一つ一つ、私の恐怖心として積み上がって来るのです。