Jun日記(さと さとみの世界)

趣味の日記&作品のブログ

親交 52

2019-05-13 13:32:34 | 日記

 「ミルのお祖父さんもお歳だから…。」

話の途中で、ふと彼女はそう言うと、言い淀みましたが、

「一人暮らしはもうそろそろきついのかもしれない。ミルの両親に帰ってきてもらえるとよいのだろうけれど。」

 彼女は静かにしんみりとした声で話すのでした。お祖母さんの時も、体調が悪い時には何方も大変そうだったわ。あの時にはミルも手伝っていたけれど、家の母も気にかけていたのよ。私も心配だったわ。

 そう言われて、ミルは祖母が亡くなった当時の様子を思い出しました。当時も今も、なかなか帰省するという事が出来そうもない彼の両親の様子です。ミルは深く考え込んでしまいました。

『自分が帰って来るという訳にも行かないし。』

任務中の身の彼には、すぐに仕事を辞めて帰郷する事が出来ないのでした。こうやって休暇だからと帰れたのが珍しい事であり、本来はやはり宇宙へ出たっきりになるのが普通でした。ミルの様な艦隊士官達は、なかなか故郷へは戻れないものなのでした。

「なかなか難しい問題だ。」

ミルは答えに窮して絶句してしまいました。

 「ところで、家の事はさて置いて、」

話に困ったミルは話題を変えました。

「君が彼と結婚するとは思わなかったよ。」

彼は祖父から彼女の結婚についての話を聞いてから、不思議に思っていた疑問に話を移しました。何故彼と結婚したのかという訳です。

「彼とは幼馴染だっただけ。」

そう答える彼女に、それなら僕もそうじゃないかと苦笑して、ミルは悪戯っぽく言い迫ってみるのでした。

「何が彼と僕の間にそれだけの差をつけたんだい?」

彼女は困ったような微笑みを浮かべましたが、ミルと同じ様に悪戯っぽく笑うと、実は…と、心安く打ち明け話をしてくれるのでした。彼女には長の年月彼と共に委員仕事をした経験から、彼のオーラを見るまでも無く彼の性格や人柄がよく分かっていました。夫以外で結婚するなら、この星の上では、彼女はきっとミルを選んだ事でしょう。 


今日の思い出を振り返ってみる

2019-05-13 13:22:29 | 日記
 
土筆(69)

 「お前が本気なら、お前の事を断る男なんてこの世には居ないぞ。」「うん、きっと居ないな。」そう兄は太鼓判を押してやるのでした。その言葉に彼女はにっこり笑うと目を輝かせました。「......
 

 

 うーん、今日も良いお天気です。今年の5月は新年度に合わせて晴れ晴れと清々しい日が多いです。