実はそうなんだと、彼は姪に話を始めました。
お前、今日、家の子を遊び場に1人で置いて帰って来たんだって?叔父さん、今朝、前以てあの子の事はお前に頼んでおいただろう。「これからあの子1人で外遊びに出るから、良いように面倒を見てやってくれ。」そう言って叔父さん、お前に頭を下げて頼んだだろう。如何して…を1人でほっぽって帰って来たんだい。
と、最後の言葉は彼も気を付けていましたが、ちょっときつくなってしまいました。その事は彼自身にも分かりました。
彼女は予想していた事とはいえ、叔父に面と向かって苦情を言われると目に涙が込み上げて来ました。思わず目頭を指で拭いました。伯父の方は『嘘泣きかな。』と勘ぐると彼女の様子を注意して詳細に眺めてみます。
「如何して家の子を置いて帰って来たんだい。」
彼は姪に同じ質問をして彼女の様子を窺いました。
「どうしてって、」
彼女は確りとして答えました。
「…ちゃん、叔父さんが考えている程には出来が悪く無いからよ。」
反対に、どちらかというと確りしている方だと思うわ。それに、叔父さん、何時も私の事おだててくれるけど、…ちゃんと同じで私の事も馬鹿にしているでしょ。と、文句を言うどころか、反対に叔父は姪に苦言を呈されることになったのでした。
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