「世の中には『鼻持ちならない態度』っていうものがあるって知ってるかい。」
彼は余裕が出たので少し可笑しそうな声で言うと、ふっと笑い声を漏らしました。
そんな年下の子の態度に、彼女は内心の動揺を抑えて朗らかに、如何にも何でも無いという感じで答えました。
「悪かったわね、そんな態度で。」
「あなたと結婚する訳じゃないから、どんな態度だっていいじゃないの。」
言い終わると彼女はツンとして彼から顔を背け、再び婉然とした笑顔を取り戻して彼を見直すと、相手の事をさも小馬鹿にした様にふんと鼻で笑って見せました。
「僕が言った訳じゃない、皆が言っているんだよ。」と、そんな彼女に彼は真顔になると、真剣味を帯びた口調で言い返しました。
「特に君のご近所の連中は本当に君の事を嫌っているみたいだね、僕も意外だったよ。」
「君は今の内に態度を改めた方がいいと思ってね、君の為にこの機会に忠告してるんだよ。」
そう言い終わると、彼の声は何時もの調子に戻り、「君、知らないみたいだから言うけど、君の親戚は結構人気があるんだよ。」そう言って、彼は先ほどの連れの男の子達が行った方向を顎でしゃくって見せました。
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