「さっき彼らと話したけど、君の親戚は案外皆に顔が売れていたよ。あの子の事を皆知っていたんだ。今日の地域の子供達の顔合わせや紹介の為に、この会合が無くてもあの子はここいらでうまくやって行けたみたいだった。皆あの子の事をよく知っていたんだよ。」
「しかも何回か話をした事がある奴もいてさ、その時の話もしてたな。しかもかなり親しいみたいだったよ。あの子の親がうまく取り入ったんだな、あんないい所と付き合ってるなんて、知らなかったよ。その事を君や君のお兄さんは知っているのかなと思うと、僕は如何も気になってね、彼等と話した後で聞こうと思っていたんだ。」
「如何だい、知らなかっただろう?」
そう彼に質問されると、彼女は顔を曇らせて沈黙しました。そうした後に、
「それくらい知ってるわ。あの子、家のご近所に住んでるんだから。」
そう苦しそうに彼女は小声で言ってのけました。
彼女のその苦しそうな様子に、彼は話し相手が嘘をついているのだと判断しました。そして、何時もの遊び仲間の誰もが彼と同い年の女の子の交友について、全くその事実を把握していなかったという事に再度驚きの色を隠す事が出来ませんでした。彼は目を丸くして穴の開く程に彼が話をしている目の前のお姉さんの顔を見詰めました。
「君も知らなかったんだ!」「じゃあ、君のお兄さんの方は知っているかな?」知らないんじゃないかな、そう彼は言うと、話題にしている同い年の女の子に嫌悪感と不信感を持つのでした。彼は顔をしかめました。
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