越中八尾町では今朝がた踊りおさめがあったに違いありません。
風の盆、二百十日の九月一日から三日までの本祭り、四日の六
時ごろフィナーレになるのだと聞きます。
人口2万余りの町に20万人以上の観光客が押し寄せるという。
多分、多くの観光客が去った町々で夜通し音が流れ舞う。そんな
人びとの間に身を置いてみたいものです。
元は祖霊を祭る行事だったそうですが、のちに風鎮めと豊作を
願う風祭りと合わさったものと、歳時記では説明しています。いず
れにしても祭りはその地域の人のものです。観光というより、日ご
ろ失っているものを探しに行く、そしてそこの祖霊に礼を尽くす人
々の思いを音と踊りから受け取り、自分もまた風を鎮め豊作を願
う祈りの気持ちを得てきたいものです。
風畏れ風に禱りて風の盆 山下美典