秋や今朝一足に知るのごひ縁 重頼
昨日、藤原敏行の和歌(古今集)を引用しましたので、上の俳句
というより俳諧の紹介をします、忘れないうちに。
意味は(『三省堂・名歌名句辞典』によりますと)「立秋の朝、よく
拭き込んだ拭(のご)い縁に一足踏み込んだだけで、そのひやり
とする感触に秋の気配が伝わってくる」ということです。
忘れないうちにという意味は、これが<秋来ぬと~>の本歌取り
になっていて、「風の音」で知る秋を、「足の裏」で知ると俳諧化し
たところをお伝えしたかったからです。(この解説も同辞典から)
この辞典では「本歌を感じさせず、ことばの技巧からも離れた秀
句である」と評しています。
重頼について、江戸前期の俳人。本名、松江重頼。
順礼の棒ばかり行く夏野かな 重頼
この句を見て、風天こと寅さんの詠んだ句を思い出しました。
出かけなければなりりませんので、明日また……。