kaeruのつぶやき

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足裏の秋

2012-09-06 17:51:13 | 詩的なつぶやき

 秋や今朝一足に知るのごひ縁    重頼

 昨日、藤原敏行の和歌(古今集)を引用しましたので、上の俳句

というより俳諧の紹介をします、忘れないうちに。

 意味は(『三省堂・名歌名句辞典』によりますと)「立秋の朝、よく

拭き込んだ拭(のご)い縁に一足踏み込んだだけで、そのひやり

とする感触に秋の気配が伝わってくる」ということです。

 忘れないうちにという意味は、これが<秋来ぬと~>の本歌取り

になっていて、「風の音」で知る秋を、「足の裏」で知ると俳諧化し

たところをお伝えしたかったからです。(この解説も同辞典から)

 この辞典では「本歌を感じさせず、ことばの技巧からも離れた秀

句である」と評しています。

 重頼について、江戸前期の俳人。本名、松江重頼。

 順礼の棒ばかり行く夏野かな    重頼

 この句を見て、風天こと寅さんの詠んだ句を思い出しました。

 出かけなければなりりませんので、明日また……。