kaeruのつぶやき

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小松といふ所にて

2014-05-13 22:31:04 | kaeruの「おくのほそ道」

 小松にはかなり以前に到着していたはずで、いまさら「到着しました」は間

の抜けた話ですので省略します。

 次の目的地は 那谷寺

 次の目的地までの距離  11.0km

 次の目的地までの歩数  14,736歩で達成です。

「おくのほそ道」本文には前回の

  塚も動けわが泣く声は秋の風

に続いて

   ある草庵にいざなはれて

 秋涼し手ごとにむけや瓜茄子

   途中吟

 あかあかと日はつれなくも秋の風

の二句のあとに

  小松といふ所にて

 しをらしき名や小松吹く萩薄

とあります。

 

 ここ(小松)で多太神社に参り、源平合戦で討ち死にした斎藤実盛(さねも

り)の兜を見ます。 以下、長谷川さんの文章より。

≪実盛は初め源氏方の武将でしたが、のちに平家方につきました。そこで

木曽義仲を迎え撃つために北陸路へ出陣したとき、やはりかつての主方に

刃を向けるわけで疾(やま)しさがないわけではない。そのとき実盛は七十歳

を超える老武将でした。おめおめと生きすぎたからこんな情けないことにな

ると内心悔やんでいる。そこでこの一戦を死に場所と決め、老武者とあなど

られないよう白髪を黒々と染めて討って出て討ち死にします。≫

 そして、本文の句

  むざんやな甲(かぶと)の下のきりぎりす

 について、

≪一笑の墓前にささげた「塚も動け」の慟哭の余勢がここまで及んで「むざん

やな」と実盛を悼んでいるようにきこえます。ここで芭蕉がみているのは、か

たや若すぎた死、かたや生きすぎたと悔やむ死です。どちらも無残な死です。≫