卯の花をよく見たのはその時が初めてでした。その時といっても特別な
日であったわけではなく句会に出はじめ、花を詠みこんだ句にであったり、
兼題に花の名が出て自分はあまりに花を知らないことに驚いたころです。
大船の植物園に行ったとき、これが卯の花かと眺めた記憶があります。
まだこの辺りでは卯の花の季節ではないのでしょう。沖縄は梅雨入り
とか、石垣島の孫からの手紙には気候のことなど何も書かれていなくて
爺婆の似顔絵、婆ちゃんの目がキラキラして爺の目は狐目、婆には人気
映画のDVDが欲しいと書かれているが爺にはなにも書かれていない、
誰に何をいえばいいかよく知っているです。
孫の話が本題ではありませんんでした。今日はなにを書こうかと思い
『美しい日本の季語』の5月18日を開いたら「卯波」とあり、鈴木眞砂女
の句 あるときは船より高き卯浪かな
があり、そこから卯の花に気が向き 『花の歳時記』 を開いたら
音もなく母寝て卯の花月夜なり 古賀まり子
など。そういえば「卯の花腐し(うのはなくだし)」という季語があったなと、
大歳時記なるものをひらいたら、<旧暦四月の別名は「卯の花月」。 そ
の頃に降り続く長雨をこうよぶ。卯の花、つま空木(うつぎ)(卯木)のせっか
くの清らかな花が腐ってしまうのではないかという先人の思いが感じられ
る季語>と解説されていました。
介護から監視へ卯の花腐しかな 山根松於
さて、今日は何を書こうかなと思いつつ二三の俳句の紹介になりました。
そして、よく家庭の奥さんが「今夜は何にしようかな」と買い物に出かけな
がら考えるという気持ちに通ずるものはあるのかな、と思いつつ〆ます。