花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

桜と美術の春

2008-04-01 03:48:13 | 展覧会
今年も千鳥ヶ淵の桜を眺めてきた。もちろん、例年の如く山種美術館「桜さくらサクラ・2008」展もセットだ。速水御舟の「春の宵」のはらはらと静かに散り行く花びらに今年も時を忘れさせてもらった。(参照:去年のブログ

ちなみに、今年も千鳥ヶ淵の桜…。去年とあまり違わないかも?(^^;;

 

年年歳歳花相似  年年歳歳 花相似たり
歳歳年年人不同  歳歳年年 人同じからず

あまりにも有名な劉廷芝「代悲白頭翁(白頭を悲しむ翁に代わる)」(「唐詩選」巻二 七言古詩)の句である。そう言えば私も白髪がめっきり増えたし…(涙)


ついでに、イタリア文化会館で「フェデリーコ・ダ・モンテフェルトロ公のストゥディオーロ」展も観てしまった。


(入口ではピエロ・デッラ・フランチェスカのウルビーノ公夫妻が出迎えてくれた...)

と、言っても、実は去年NYのピアモント・モーガン・ライブラリーでも観ている。
本物の小書斎はメトロポリタン美術館にあり、展示されている小書斎(ストゥディオーロ)は地元イタリアの職人たちが精魂こめて再現したものだ。
こじんまりとした書斎は見事な埋もれ木細工でできている。遠近法や影を使ったトロンプルイユ的凝った装飾模様は見事だ。入り口天上のウルビーノ公モンテフェルトロ家の紋章を見ると、その後のウルビーノの歴史の変遷に想いを馳せてしまう。あのフェデリーコ・ダ・モンテフェルトはグッビアのこの書斎で何を考えていたのだろう?

会場ではルネサンス時代のエミーリアやウンブリアの陶器なども展示されていたが、それにもまして興味深かったのはピエロ・デッラ・フランチェスカの手稿のファクシミリ版だ。遠近法の構図と計算が見て取れる。レオナルド・ダ・ヴィンチと比べると真っ当な字を書いているなぁと思った(笑)。ブレラ美術館作品など観ていると時代を超越したかのような現代的感覚を覚える画家である。手稿を見ながらちょっと身近に感じてしまった。あ、やっぱり石鍋氏の本を読まなくちゃいけないかな(^^;;

実は、土曜日に国立西洋美術館でシンポジウム「エロッティック美術―図像と機能―」を聴講しながら、合間に上野の桜も見物してしまった。う~む、桜三昧に美術三昧の春だなぁ…(^^ゞ