「マンテーニャとベッリーニ」展の取りあえずの超サクッと感想を。記憶のみで書いているので誤記があったらすみませぬ
さて、この展覧会、確かに見応えはある。期待していた通り、ハンプトンコートからマンテーニャ《カエサルの凱旋》3作品が展示されていた。ルーヴル、プラド、ベルリン、ワシントン&MET等々、イタリア以外の主要美術館からも作品が収集構成され、質的にも量的にも満足でき、さすがLNGだと思った。
私的に嬉しかったのは、義兄弟ふたりの《神殿奉納》が並んだことで、展覧会ではこの二人の影響関係と作風の違いが、同一テーマ作品を並べながら見て取れる、ある意味贅沢なことでもあるのだが。もしかして、二人のアエムラティオ(aemulatio)と言っても良いのかな??
私見を言えば、初期作品ではやはりマンテーニャの力量の方が際立って見えたが、段々とベッリーニの作風が大気と光を纏うことにより、ヴェネツィア派の抒情的作風を大成していく様がわかったような気がした。
まぁ、マンテーニャはとことん古代彫刻好きだから硬質かつ静的でありがちなのだけど、それが魅力でもあるのだよね。今回人体ポーズ習作素描も多く出展されていて、ブレラ《キリストの死》短縮法への習作のように見えた。
で、展覧会構成で特に興味深かったのは、ふたりの宗教画や神話画の背景である「風景画」展示室であり、ベッリーニなんて風景の方を描きたかったんじゃないだろうかと思うほど。解説では、ヤン・ファン・エイクやディレク・バウツなどの北方の画家からの影響が言及されていた。
超サクッとなので詳細は端折るけど、今回は質的量的に満足はできても、ハンプトンコート作品以外の大型作品が少なく、以前観たローマ「ベッリーニ展」の大型祭壇画が並ぶ威容を体験している身としては少し物足りなさも残ってしまったのだった