2014年の東京国立博物館「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」展を観て、ぜひ行ってみたいものだと思っていた。
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1647#top
東博の展覧会では「白菜」は展示されていたものの「角煮」の展示は無く、これは現地で観なければいけないなぁと。なのに!出かける前の情報収集では、今回も《肉形石》は院南部院区の至宝庁南院に出張中だとのこと。まぁ、いつか、また!があるよね。
ということで、台北の「國立故宮博物院」は広くて大きかった!!
雑誌情報によれば、まずは3階の「国宝薈萃」に行って、混んでいれば2階から見るべし、とのことだった。案の定、《翠玉白菜》の展示されている「国宝薈萃」室は長蛇の列で、同じ階の「戦国時代-漢代玉器 特別展」から観ることにした。
https://www.npm.gov.tw/ja/Article.aspx?sNo=04010330
特に興味深かったのは、「蛇」をモチーフにしたデザインを好んだ戦国玉器が、伸び広がり平面的になっていくことで、対する漢代の玉器は「獣身」が立体的なデザインになっていくのがわかる。
下↓は「戦国時代の玉器」(蛇や龍がくねくね動こうとしている)
下↓は「漢代の玉器」(立体的な神獣が動き出そうとしている)
そして、戦国時代から漢代にかけ、蛇がとぐろを巻いているような造形も...。
私的に一番興味深かったのは、その「蛇」の曲線のエネルギーが『ダロウの書』や『ケルズの書』の渦巻くエネルギーを想起させることで、聖なる力は曲線に宿るのだろうか?と思えたのだ。
『ダロウの書』から(曼荼羅さえも想起させる)
『ケルズの書』から
片や紀元前の中国、片や7世紀~8世紀のアイルランドだが、時代も国も異なるとは言え、原始的な宗教心の発露が「動くもの」のエネルギーを借りて形態化(デザイン化)されて行ったのではないかと、美術ド素人は思ってしまったのだった