3月16日(火)、NHK-BS3「アナーザー・ストーリーズ」の「唐十郎」特集を見た。
https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/trailer.html?i=27916
ずっと昔(十代の頃!)、兄が「紅テントを観たんだけど、凄く面白かった!」とチラシをくれた。高畠華宵「馬賊の唄」挿絵に「吸血姫」の文字が…。それ以来、私的には憧れの紅テントとなったが、実際に観ることができたのは翌年(1972年)、「二都物語」仙台公演だった。
(ちなみに、ポスターはボス《愚者の石の除去》の模様枠を引用しているのがご愛嬌。ん?背景の風景も見覚えがあるような??)
その舞台は異様に魅力的で、紅テント(状況劇場)は異空間に人を誘う人さらい集団(?)だと思った。李礼仙の迫力のある存在感、唐十郎のぬめぬめとした眼(まなこ)、大久保鷹のわけのわからぬ可愛らしさ(笑)等、テント内の演者と客の密な空間が醸し出す熱気も凄く、めちゃくちゃ面白かった。
その後にも、東京(池袋 びっくりガード下)で「ユニコーン物語 台東区篇」を観ている。根津甚八、小林薫の活躍も懐かしい。
多分、その頃に買ったのだと思う本「唐組」(パルコ出版)がまだ本棚に残っている。
表紙をめくると、唐十郎と李礼仙のサインが。(その後、お二人は離婚した)
それだけではなく、LPレコードまで買ってしまったのだから、かなりミーハーかも
でも、「四角いジャングルで唄う」は録音が雑で(すみません)1回ぐらいしか聴いていない(汗)。
さて、一方、1975年には「68/71黒色テント」が「キネマと怪人」(喜劇昭和の世界2)を引っ提げて仙台公演を行った。もちろん、観に行きましたとも!! 最後にテントの舞台奥が開らき、夜の公園に炎の光が幻想的に灯り、新井純さん(多分)の「ロマンチックな目で見ないで」というセリフが耳に残っている。
私的な感想を言えば、演劇内容は紅テントよりも洗練され、音楽的にも皆さんお上手で、特に斉藤晴彦さんの「歌うチゴイネルワイゼン」は絶品だった!! 清水紘治さん歌った「BACK AND GO」の「燃える金魚よ~、不眠のお前よ~♪」なんて隠れた名曲だと思う。だって、その勢いでLPも買っちゃったのだもの。
(清水紘治さんがサインをしてくださった♪)
あの、テントの下で繰り広げられた熱い演劇の世界が、形を変えながら現在まで続いているのだなぁと、NHKの番組で80代になった唐十郎を見て思ったのだった。