コメント話題に「クロイスターズ」が登場したので、すっかり懐かしくなり、思出話を少しばかり…。
「The Cloisters」はメトロポリタン美術館の別館であり、2004年にMETの展覧会「リアリティの画家(Painters of Reality: The Legacy of Leonardo and Caravaggio in Lombardy)」を観た折に併せて訪ねた。
https://www.metmuseum.org/exhibitions/listings/2004/leonardo-and-caravaggio
「クロイスターズ」の名を知ったのは、昔、兄の本棚でトマス・ホービング『謎の十字架』を見つけて読んだ時だ。当時は美術に関心も薄く(汗)、ミステリー小説のように読んだのだが、それでもいつかは観に行きたいものだなぁと思った。
クロイスターズはNY中心部から離れたハドソン川上流を臨む地にあり、MET本館近くからバスに乗り、小一時間ほどで着いた。クロイスターズの前にバス停があるので、往復バス利用は便利だった。
館内を見て歩くと...中世ロマネスクの礼拝堂まで移設したようで驚いてしまった。
さて、お目当てはホービングの《十字架》だが、もちろんその後、美術鑑賞に目覚めたので(笑)ロベルト・カンピン《メロード祭壇画》と《一角獣のタピストリー》も楽しみだった。
《クロイスター・クロス》12世紀
同じセクションには、ランブール兄弟の《ベリー公のうるわしき時祷書》(多分実物?)も展示されていた。
ロベルト・カンピンと工房《メロード祭壇画》(1422年以降)
思ったより小ぶりの祭壇画だったのが印象的だった。
ずっと観たかった、タペストリー《捕らわれた一角獣》(1495~1505年頃)
更に見て歩くと、「クロイスターズ」の由来である修道院風回廊に出る。
中庭には多種類のハーブが植えて有り、回廊の一角にあるカフェからも座って眺めることができる。何を飲んだのだっけ?やはり紅茶だったような気がする。ハーブティーもあったような…。(追記:もしかしてカフェは記憶違いも)
クロイスターズからハドソン川の流れを眼下に見ながら、ロックフェラー2世の情熱があったからこその環境だなぁと思った。なんだか、歴史の浅い米国の欧州文化への切実な憧れが見えたような気もしたのだけどね。
またゆっくりと訪ねたいが...困難な時代になってしまったのが本当に残念だ。