先月のことだが(汗)、多賀城の東北歴史博物館で「悠久の絆 奈良・東北のみほとけ展」(前期)を観た。
https://www.tbc-sendai.co.jp/mihotoke/#gaiyo
※動画(前期展示):https://www.youtube.com/watch?v=v-FRc_m5ggM
多賀城は、奈良・平安時代に陸奥国の国府が置かれたところで、会場の東北歴史博物館は国府跡すぐそばにある。
今回の展覧会には、ありがたくも唐招提寺や法隆寺を中心に奈良から多くの仏様たちや貴重な品々が来て下さったが、併せて東北の仏様も展示され、奈良の仏像からの影響を如実に知ることができ、とても興味深かった。
特に前期では《鑑真和上像》もお出ましになり、東山魁夷画伯の御影堂壁画(コピー)を背景に、静かに鎮座なさっていた。入場者が少なそうな日を選んで訪れたので、和上像を独り占め状態で拝観できたのは幸いだった。
で、私的に非常に面白かったのは、東北の仏様のひとつ、仙台の十八夜観世音堂所蔵《観音菩薩立像》(8世紀)で、奈良時代特有のカヤの木を使っていることがわかり、東北最古の「木造菩薩立像」として2016年に宮城県指定文化財に指定された顛末だった。地元で昔から親しまれていた仏さまが、なんと奈良時代のものだったなんてね
《観音菩薩立像》奈良時代(8世紀)十八夜観世音堂所蔵
https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/bunkazai/sitei.html
仏像彫刻と言えば、いままで飛鳥仏や平安・鎌倉期の仏像に興味が行っていたが、今回の展覧会は奈良から平安の仏様を勉強するのにも良い機会となった。まことにありがたいことである。