花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

ユトレヒト・セントラル・ミュージアム「ユトレヒト、カラヴァッジョ、そしてユーロッパ」展サクッと感想(1)

2019-03-03 23:59:40 | 展覧会

ユトレヒト・セントラル・ミュージアムで「ユトレヒト、カラヴァッジョ、そしてユーロッパ」展を観た感想をサクッと

https://www.centraalmuseum.nl/en/exhibitions/utrecht-caravaggio-and-europe

1600年代初頭、ローマ教皇庁のお膝元であるローマは芸術の中心地であり、カラヴァッジョもだが、イタリア国内外から多くの芸術家が集っていた。ローマの画家の5人に1人は外国人だったようだ。オランダのユトレヒトからローマに赴き、当時のローマ画壇に旋風を起こしたカラヴァッジョの革新的画法に触れ、すっかりと魅せられた3人の画家がいる。(公式サイトの記述順=ABC順)

ディルク・ファン・バビューレン(Dirck van Baburen, 1592/3-1624年)

ヘンドリック・テル・ブリュッヘン(Hendrick ter Brugghen, 1588-1629年)

ヘラルト(ヘリット)・ファン・ホントホルスト(Gerard(Gerrit )van Honthorst , 1592-1656年)

彼らユトレヒト派カラヴァッジェスキとともに、当時のローマで同じようにカラヴァッジョの影響を受けた画家たちの同主題作品を並べることにより、ユトレヒトの画家たちの共通性と独自性を際立たせようとする展覧会だった。

例えば、下↓の写真のように、カラヴァッジョ《聖ヒエロニムス》を中心に各画家たちの「聖人」を描いた作品が並び、カラヴァッジョからの影響の痕跡をどのように留めているかが私的にも比較検証できる面白さに満ちていた。

ちなみに、左正面に見えるのはローマから来ていたホントホルストの祭壇画《洗礼者聖ヨハネの斬首》である。

ヘリット・ファン・ホントホルスト《洗礼者聖ヨハネの斬首》(1617-18年)サンタ・マリア・デッラ・スカラ教会(ローマ)

照明の関係で撮影が難しかったのだが、向かって左上の天使(見え難いけど)はカラヴァッジョの影響大だと私的には思うのだよね。カラヴァッジョは光源を描かないのだが、ホントホルストは光源(炎)を描くところに彼の独自性がある。

ということで、この展覧会のサクッと感想は多分、間を置きながら不定期に続く予定だ(あくまでも予定)。ついでに、↓は今回の展覧会の図録である。

年寄りは重いものが大の苦手なのだから、図録はハードカヴァーではなくソフトカヴァー(ペーパーバックで結構)にして欲しいものだ。>各美術館さま