1980年公開の影武者がスカパーで放送されるので
今月チャンネル変更をして、やっと先週の土曜日に見ることができました。
その後の仲代のトークも含めて映画の全体像が見えました。
監督
黒澤明
脚本
黒澤明
井手雅人
製作
黒澤明
田中友幸
外国版プロデユーサー
フランシス・フォード・コッポラ
ジョージ・ルーカス
出演者
仲代達矢
山崎努
萩原健一
根津甚八
隆大介
大滝秀治
桃井かおり
倍賞美津子
志村喬
藤原釜足
音楽
池辺晋一郎
当時主役が降りたので何か騒ぎになっていたようなことを
思い出しましたが、これは仲代が代役を引き受けなかったら
大変なことになっていたのでしょうね。
黒澤監督は信玄に雰囲気がそっくりな勝兄弟に出演を依頼したけれど、若山富三郎は
勝が黒澤監督とぶつかることが目に見えていたので、断ったという話。
勝新太郎が降りた後、仲代は勝も友人だったので一度は代役を断っていた。
彼にとっても苦しかったと話していました。カンヌでパルムドール賞を受賞して
やっと肩の荷が下りたと。
映画自体は「乱」の方がずっといい。こういう大掛かりな影武者のような映画が
クロサワの名のもとに賞を取るのだねと思ってしまった。
音楽も武満の方が数倍素晴らしく・・・
影武者で記憶に残ったのは馬の美しさ。乱の時もそうだったけど。
この映画で一番費用がかかったのは馬代だそうで、
300頭も出演。馬も人も死んで苦しむ様子を長く回して
動物愛護協会からクレームが出たそうだ。でももっと残酷なのは
馬はもがいても仕方がないけど、死んだ人間はじっとしていろということで
暴れる馬の横で死んでいるのも大変。それで俳優が3日間ストライキをしたと
仲代が語っていた。
何がすばらしかったかというと馬が走るシーン。自然描写。そして山崎努かな。
今フィルムが新しくなって、DVDが発売されて
1980年の作品だけど今に対してもクロサワさんのメッセージは
今よけい心に響くようなことを仲代は語っていました。
それは「山は動かず」。動いたら破滅になるというメッセージ。
外にまで出て行って戦争に加担すればそれは破滅でしかないと。
仲代が最後の舞台としたいと思っている「肝っ玉おっかあ」も
反戦劇。
仲代は演劇人なのできっと舞台が一番いいのだろうなと思いながら
このブレヒトの有名な戯曲を舞台で見たい気もします。