2020年6月30日(火)~8月23日(日)
〔旧会期:2020年4月14日(火)~6月7日(日)〕
※会期等は今後の諸事情により変更する場合があります。
前期展示:6月30日(火)~7月26日(日)
後期展示:7月28日(火)~8月23日(日)
去年企画を知った時から行きたいと話していた「きもの展」。 コロナの影響で開催されるか心配でしたが
会期を大幅に遅らせてて、今前半が開催されています。この状況ではいつまで開催していられるか心配でできるだけ早く
行った方がいいように思いました。
友人との日程の調整が難しく、一人で行くつもりでしたが、直前に紫苑さんと日程が合い待ち合わせてご一緒しました。
天気も毎日雨でぐずついていましたので、今回は着物ではなく洋服にして観ること集中しようと思いましたが、
この雨天が続く中、曇りでそれほど暑くもなくきもの日和だったので、最近着た着物の感じで、色は同じですが、絽ではなく
紬で帯は同じで出かけました。まさに着物を着てという天気でした。
西日本では集中豪雨、東京ではコロナ感染者数の激増と暗い状況ですが、広々とした上野はやはり気持ちが良かったです。
きもの友達とお会いするのも久しぶり。鑑賞後の食事とお茶の時間、素敵なお庭での写真撮影大会が楽しかったです。
入口で検温を済ませて、中に入ります。時間指定の予約ですので、込み合ってなく、見やすい人数でした。しかし入場すると
第2室からお願いしますと言われて、最初から流れを追うことができなかったのが残念でした。一番見たかったのが古い時代の方で
安土桃山くらいからでしたので、江戸から入ってしまい、大奥や大名家の衣装にちょっと釘づけでした。その細かい刺繍。
そして色合いが落ち着いた色で目が洗われるようないい配色でした。武家の威厳を見せるような柄のもありましたが、自然を
図案化した素晴らしいものでした。篤姫や和宮のものもありました。その身分により、最高の材料で作られていたのでしょうね。
江戸の粋、火消しの衣装がすばらしかったです。あの柄が刺繍されているのが裏で消し終わった後、半纏をひっくり返して
帰って行ったそうです。あの時代のヒーローですね。こういう仕事着にまでおしゃれが行き届いていました。
友禅が生まれたのは江戸時代に3つの技法が禁止されたからと言うのもおもしろかったし、贅沢禁止の時代、贅沢ができたのは
豪商の娘と遊郭だけだったというのもなぜ許されていたのかが面白いです。
天和3年、町人たちの贅沢が過剰となってきたことから、幕府は贅沢を抑止する目的で、それまで主流だった3つの染織技法
(惣鹿の子、縫箔、金紗)を禁止した。この禁止例を守りつつ新たに開発されたものが、友禅染であるという。友禅染は扇絵の
模様を染める技法が発展したものであり、筆で描いたかのような輪郭と鮮やかさを実現した。
贅沢禁止令のもとでも変わらず豪壮な装いでいたのが、豪商の娘や花魁、太夫たちだった。
《表着 白地小葵鳳凰模様二陪織物》は、国宝指定されている鎌倉時代の宮廷装束。後白河法皇が祭神の一柱である神功皇后に
奉納したものと伝えられ、全体には三色の鳳凰があしらわれている。
重要文化財の《縫箔 白練緯地四季草花四替模様》は、一領のきものの上下左右に、それぞれ四季が描かれている。
新春(冬)の雪がかかった笹の葉、春の八重梅、夏の藤、そして秋の紅葉。金銀箔は落ちていますが、それでもなお
すてきです。
安土桃山時代から江戸初期にかけての小袖がデザインも斬新です。
江戸時代に流行した小袖「寛文小袖」の代表作 重要文化財《小袖 黒綸子地波鴛鴦模様》
《小袖 萌黄紋縮緬地雪持竹雀模様 天璋院篤姫所用》德川記念財団
すごく重厚な刺繍でした。この時代の刺繍がすばらしかったです。
《袱紗 浅葱縮緬地雀鳴子稲模様 天璋院篤姫所用》德川記念財団
尾形光琳作『小袖 白綾地秋草模様(表)』(東京国立博物館蔵)
《小袖 紺紋縮緬地曳舟模様》
《陣羽織 黒鳥毛揚羽蝶模様 織田信長所用》東京国立博物館
《火消半纏 鼠色木綿地船弁慶図》
明治以降の着物については池田さんのコレクションを思い出させましたが、銘仙とか色が物凄くくすんで見えたのは
それまでの江戸以前の着物の色がすばらしかったせいでしょうか・・・
過去から現在まで800年を流していましたが、これから着物はどうなっていくのでしょう・・
現在も素敵な工芸作家もたくさんいるし、そういう点が網羅されていませんでしたね。
参考)
国宝の装束、戦国武将の陣羽織、YOSHIKIMONOまで一挙公開 特別展『きもの KIMONO』内覧会レポート Spice
から写真をお借りしました。
特別展「きもの KIMONO」東京国立博物館で、鎌倉時代~現代の着物など約300件が集結 fashion press.
ミュージアムカフェでランチとおしゃべり。楽しかったけれど今はこういうことができない時代になってしまいました。
話が尽きませんでした。
博物館の裏の庭に回って・・
和服姿が決まっている紫苑さん
夏らしい装いで素敵な帯どめをしていらっしゃいました。
紫苑さんのブログで細かく見ることができます。
私はといえばまるでお地蔵さんですね。(笑)
祖母の夏着物(何なのかさっぱりわかりません)と麻の帯、帯どめはTちゃんにいただいたものです。
大きいバックルのようなガラスできゃしゃな香子さんが以前大きな帯留をしていらして、私は大きいので
使い方もよくわからなかったのですが、やってみようと思いました。Tちゃんは自分には大きすぎる
と話していましたが、案外大丈夫だったかもしれませんね。ありがとうございました。
星岡と後さきになってしまいましたが、星岡の時は着物をTさんにいただいた絽の着物にしていました。
家に帰ったら夕方の空気がすごく住んでいるような気がして、写真を撮りました。
久々に着物に浸った一日でした。
July 16 2020 Ueno