Reflections

時のかけらたち

舘野泉コンサート@しらかわホール & 京都大原の小さな旅 -3 ・・・ small trip to Nagoya and Kyoto-3  

2024-02-11 23:59:48 | music

2月4日 15:00~

しらかわホールでのラスト・コンサートになるかと思ったのですが、週末の北村朋幹の
初棒振りがラストになりました。

 

フェアウェル特別企画 舘野泉 “こころの音楽”

クラシック界のレジェンドが贈る、しらかわホール有終の音

シリーズの最終の公演は、フィンランド在住の左手のピアニスト舘野泉のリサイタル。2023年に米寿を迎えるクラシック界の
レジェンドは、しらかわホール開館以来、同ホールに数々の名演を刻んできた。本公演は、その舘野が閉館を迎えるホールへ
はなむけとして贈る特別企画である。
舘野にゆかりのある作品に加え、音楽家の人生について、トークも交えたプログラムが組まれている。
しらかわホールの有終の美を飾る忘れられない公演になるはずだ。

舘野泉(ピアノ) / 浦久俊彦(聞き手)


プログラムの順番の一部変更が伝えられました。

シサスク:エイヴェレの惑星たち
間宮芳生:山にいて夜毎鳴く鳥の声 「風のしるし」より
吉松隆:水のパヴァーヌ 「タピオラ幻景」より
スクリャービン:前奏曲と夜想曲  Op.9
バッハ (ブラームス編):シャコンヌニ短調 BWV1004より

—休憩20分—

ノルドグレン:振袖火事『小泉八雲の「怪談」によるバラードⅡ』より
光永浩一郎:サムライ
谷川賢作:さよならは仮のことば
     そのあと After That (to Maria)
     のんのんずいずい 組曲「そして船はいく」より

~アンコール~
山田耕筰(梶谷修編):赤とんぼ

 

舘野泉さんのコンサートは若いころからを含めて4回目となるかと思います。
まだフィンランドに渡る前の東京文化会館でのコンサート。だいぶ早く行って、確か妹と一緒だったか精養軒に入って
いると、舘野さんがやってきて食事をしていました。そのあとなんとチケットの裏にサインをしてもらいました。
他には人が誰もいなかったかと思います。なんと無神経な私たちでしょうか・・ まだ学生だった頃かと思います。
こんな私たちにも快くサインしていただけました。

後は左手のピアニストとして活躍されてからでヤマハホールでのバースディ・コンサートは草笛光子さんもいらして
華やかな誕生祝でした。前回はフィリアホールでのコロナで延期になったコンサートの再開でした。当初のプログラムでは
息子さんと協演してフィンランドのことなどのトークも含んでいましたが変更になってしまって息子さんとのジョイントは
実現できなく残念でした。

そして今回はオラフソンのコンサートにしらかわホールに行ったとき、このホールの最後を飾るコンサートのポスターを見て
なんとなく行きたいと思って、その後NHKでの番組を見て思いが強くなって、急遽残っていたチケットを取って行くことに
しました。

今回のコンサートはトークも舘野さんの人柄が現れて、館野さんのフィンランドでの暮らしや、曲目の紹介などもあり
音楽をより楽しめるものでした。

アットホームな別のスペースに連れていかれたような感じ。聞き手の浦久さんは舘野さんの別荘にでも来たつもりでと
最初に話されていましたが、まさにそんな感じ。

曲目の順番を最初の案内から入れ替えられたという。始まりは北欧の自然の中のような星と鳥と水・・
キラキラと星が輝き宇宙の中にいることを感じるオープニングの曲。

宇宙の中、風の中にいるような素晴らしい世界でした。
スクリャービンの曲も色彩豊かで好きな曲です。どの曲も左手だけで弾いているとは思えない世界でした。
左手のピアニストともう言う必要はないような力強く美しいピアノです。
彼の音楽を伝えたい気持ちが指先から伝わってきます。コロナの時代の苦しかった思いやそれを乗り越えて
その期間新しい曲に挑戦して、また新しい世界を見せてくれます。同じ曲でも何回か演奏しているうちに
そこから新しい音楽が生まれてくるという言葉が素晴らしかったです。またある時、悟りのように音楽が
降りてくるような感じとも。

全般最後のシャコンヌのなんと豊かな世界だったでしょう。毎回のようにコンサートで弾いてきているけど
その時の演奏は1回きり。いつも違ってくるそうです。ヴァイオリンで聴いていた曲がピアノではこう表現されるのかと
さすがのブラームスです。舘野さんは若いころからこの曲には注目していたけれどつまらないとずっと思っていたとのこと。
それがある時、その素晴らしさを発見したとのお話でした。バッハの曲は聴いていると自分がどんどん上昇していくような
感じがします。

後半のノルドグレンの曲も解説があり、友人だったノルドグレンの紹介も面白かったのですが、曲のイメージがつかめました。
とてもドラマチックな曲でした。日本の作家の新しい曲もそれぞれ面白かったです。昨年亡くなられた奥様に捧げられた曲も
ありました。

音楽に捧げたその情熱を穏やかな表情の奥に感じるしらかわホールの最後を飾る素晴らしいコンサート。またの開館を
願ってやまない私です。

友人はアンコールの赤とんぼが良かったと話していました。私はやっぱりシャコンヌが最高でしたが、どれも良かったです。
今までの舘野さんのコンサートで一番よかったように思いました。ホールも良かったのかな?

思ったよりコンサートが長引いたので、この後、栄の方に寄って夕食を買って新幹線で京都に向かいました。
いつものハートンホテル、今回はアゴタではなく自分でホテルに直接取ったものですが、前回より高かったけど広いお部屋で
テーブルもちゃんとあったのでそこでN響の定期公演シベリウスのヴァイオリンコンチェルトなどを聴きながら夕食を取り、
持って行ったお香も部屋で焚きました。翌日のこともあるので自分の部屋に戻って音楽の続きを聴きながら準備をしたり
していたら、彼の好きなシベリウスの「トゥオネラの白鳥」が始まったので、ショートメッセージであわてて連絡したりして。
私は「悲しいワルツ」が結構好きで、ヤルヴィーのアンコールなどでよく聴いていました。

青空の下で少しだけ冷たい空気の中、自然の中を歩き、そのあとの音楽の宇宙の中に浸った素晴らしい1日が終わります。
東京は雪が降ったこの日。翌日の天気を心配しながら眠りにつきました。

 

Note 舘野泉 こころの音楽

 

Feb.4 2024  Nagoya 

コメント
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