ラザロに続いて見たのは「3つの鍵」。TSUTAYA DISCAS ではなかなか見たい映画がないのですが、Aさん推薦の
3つの鍵は比較的新しい映画なのですが、あってすぐ借りることができました。
ラザロに出ていたアルバ・ロルヴァケル、トマーゾ・ラーニョ、ダンテのアレッサンドロ・スペルドゥーティが
出ていました。だんだん今の俳優さんたちがわかってきました。
マルゲリータ・ブイは、ごく初期のイタリア映画祭で見た「もうひとつの世界」という魅力的な映画に出ていました。
あれから20年以上たって、岩波ホールで「はじまりの街」で再び出会った女優さんで、存在感がある素敵な人です。
映画『3つの鍵』予告編
2021年製作/119分/R15+/イタリア・フランス合作
原題:Tre piani
スタッフ
監督・脚本・製作 ナンニ・モレッティ
脚本 フェデリカ・ポントレモーリ ヴァリア・サンテッラ
原作 エシュコル・ネヴォ
撮影監督 ミケーレ・ダッタナージオ
美術 パオラ・ビザーリ
衣装 ヴァレンティーナ・タヴィアーニ
録音 アレッサンドロ・ザノン
編集 クレリオ・ベネヴェント
音楽 フランコ・ピエルサンティ
製作 ドメニコ・プロカッチ
キャスト
- マルゲリータ・ブイ(ドーラ)
- ナンニ・モレッティ(ヴィットリオ)
- アレッサンドロ・スペルドゥーティ(アンドレア)
- リッカルド・スカマルチョ(ルーチョ)
- エレナ・リエッティ(サラ)
- キアラ・アバルサルモ(フランチェスカ(7歳))
- ジュリア・コッパーリ(フランチェスカ(12歳))
- ジェア・ダッロールト(フランチェスカ(17歳))
- アルバ・ロルヴァケル(モニカ)
- アドリアーノ・ジャンニーニ(ジョルジョ)
- アリーチェ・アダーム(ベアトリーチェ(5歳))
- レティツィア・アルノー(ベアトリーチェ(10歳))
- デニーズ・タントゥッキ(シャルロット)
- アンナ・ボナイウート(ジョヴァンナ)
- パオロ・グラツィオージ(レナート)
- ステファノ・ディオニジ(ロベルト)
- トンマーゾ・ラーニョ(ルイージ)
- テコ・セリオ(サヴェリオ)
- フランチェスコ・アクアローリ(精神科医)
- ダリア・デフローリアン(モニカの母)
- アレッシア・ジュリアーニ(警察官)
- ロッサーナ・モルターラ(弁護士)
- ラウラ・ナルディ(心理学者)
映画『3つの鍵』<2階に住むモニカ編>
まるでオムニバス映画のような同じところに住んでいても接点の少ない家族のそれぞれが抱える問題を長い年月を追ったもので、
いかにも現代の抱える問題、親子、夫婦、老い、性的虐待、孤独などを取り上げています。
“この映画は、家庭の壁の外に存在する外の世界へ、心を開くように誘っている”
──ナンニ・モレッティ
重苦しい映画だったけど、最後に問題を抱えていた息子が一人で何とか生きて行く道をみつけ、それを遠くから見守る
母も裁判官の夫に先立たれ、今までの生活をたたんで新しい世界へと旅立っていく、少し希望が見えるのが救いでした。
家庭が崩壊してゆっくり再生していく様子を描いた映画でした。
一番かわいそうだったのが、単身赴任の続く夫を持つアルバ・ロルヴァケルの演じるモニカ。不吉なカラスが現れて
心が病んでしまいそうな不安に陥っているが、姿を最後に消してしまう。これも新しい旅立ちと理解していいのだろうかと
思ってしまいます。
1階の夫婦は夫が犯してしまった罪により、家庭が崩壊したが、年月が経ち別居しながらも娘を囲んで家族の形態は保てている。
ここにもかすかな希望があります。
厳しい現実の中だけれど、なにかそこで突き落とさない愛がこの映画にはありました。
イタリア映画の幅の広さに、こういう映画もあるのだと感心してしまった私です。巨匠と呼ばれるナンニ・モレッティも知らなかった。
昔のイタリア映画しか知らなかったので、これから少しずつ見て行こうかと思っています。
本作の原作者である作家のエシュコル・ネヴォはこう語る。「この映画では、登場人物たちがお互いに傷つけ合い、癒やし合い、恨みを抱き
許し合うことができる。そしてわたしたちの幸福は、常に、他者の幸福と結びついていることを思い出させてくれる。そして私たちが生きて
いるこの痛ましい時代に照らし合わせると、それは忘れてはならない重要なことなのだ」。
東洋経済の3つの家族の選択の過ちが生む家庭の不和と再生より紹介させていただきました。
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