朝日新聞の「ロンドン五輪 どう伝えた」という特集記事で、主に新聞をめぐってコメントしました。
この記事は、テレビ、新聞、ネットなどメディア側の“当事者”への取材を軸に構成されています。
初のソーシャル五輪。
SNSとスポーツ中継との親和性が浮き彫りになった。
女子サッカーの決勝に関連したツイート数は30万を超えた。
一方で、テレビの視聴率は苦戦。(BSは視聴率に含まれない)
しかし、今後もネットは無視できない。
新聞は、8時間の時差に悩んだ。
速報性ではテレビやネットなどに敵わない。
また、読者の五輪への関心に応えることと、同時に一般ニュースとのバランスも課題だった。
新聞各社への取材では、毎日、産経、東京などが回答しているが、読売だけは「五輪報道には特別に力を入れていますが、その取材態勢等について述べることは控えさせていただきます」とのこと(笑)。
以下は、私のコメント部分です・・・・
「目撃」を言語化
碓井広義・上智大教授(メディア論)の話
テレビの生中継で観戦するのは「目撃」にすぎない。それがどういう体験だったのか再認識させ、「感動の言語化」をしてくれるのが新聞の役割だ。
ネットの断片的な情報とは異なり、選手らの過去など背景にあることをより深く伝えられる良さもあるなど、速報性で劣ってもなおプラス面は多い。
五輪報道が多くなるのはある程度仕方ないが、大会期間中にも重要なニュースはある。読者の意識が五輪に偏りがちだからこそ、五輪以外の大事な記事を目立たせる工夫も必要だ。
(朝日新聞 2012.08.16)