碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

今週の「読んで(書評を)書いた本」 2012.08.06

2012年08月06日 | 書評した本たち

内藤陳さんの往年の名著『読まずに死ねるか!』(集英社 1983)。

この本を、ぱらぱらとめくっていたら、案の定、冒険小説が読みたくなった。




まずは、陳さんが『読まずに・・』の中で“おススメ”している、「古今の名作冒険小説」の中から4冊。

ふだん、どうしても新刊が中心だし、夏休みらしい本を読みたいなあ、と思っていたのだが、「冒険小説の名作」ってのは、いいアイデアかもしれない。



ライアル、ヒギンズ、マクリーン、そしてバグリイ。

相手にとって不足なしです(笑)。



今週の「読んで(書評を)書いた本」は、以下の通りです。
 

貴田 庄 
『高峰秀子 人として女優として』 朝日新聞出版

豊崎由美 
『ガタスタ屋の衿持』 本の雑誌社

堀江あき子:編 
『怪獣博士!大伴昌司「大図解」画報』 河出書房新社

ボナ植木 
『魔術師たちと蠱惑のテーブル』 ランダムハウスジャパン


・・・・ボナ植木さんは、あのマジックの「ナポレオンズ」の、長身でメガネの人です(笑)。


* 上記の本の書評は、
  発売中の『週刊新潮』(8月9日号)
  に掲載されています。



予想以上に楽しめた『崖っぷちの男』

2012年08月06日 | 映画・ビデオ・映像

映画『崖っぷちの男』を観てきた。

「アバター」のサム・ワーシントン主演で、ある計画のため飛び降り自殺をしようと見せかける男と、その男と対峙する女性刑事の駆け引きを描いたサスペンス。

30億円のダイヤモンドを強奪した罪で収監された元刑事のニックが脱獄。ニューヨーク・ルーズベルトホテル高層階から身を乗り出し飛び降りようとする。

制止しようと説得する警察に対しニックは、最近の任務に失敗して後がない女性刑事リディアを唯一の交渉役として指名するが……。

監督はドキュメンタリー出身で本作が長編デビュー作のアスガー・レス。



ホテルの建物の外壁というか、窓下に設けられたほんの狭いスペース。

そこに男がひとり、立っている。

下の道路から見上げた人が、飛び降り自殺の志願者だと思うのも無理はない。

でも、そうじゃない。

男には、明確な目的があったのだ。


ストーリー展開には、本当は無理な部分もあるんだけど(笑)、観ている最中は気にならない。

いわゆるスターさんはいないけど、その分、ドキュメンタリー・タッチが冴える。

役者たちも適役で、予想以上に楽しめた。

ちょっと得した気分。

あまり期待しないで観たのが良かったみたい。

それにしても、この『崖っぷちの男』っていうタイトル、何とかならなかったのかな。

原題「Man on a Ledge(棚の上の男)」のままじゃ、もっとわかんないか(笑)。