碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

NHK放送技術研究所で、「8Kスーパーハイビジョン」を見る

2014年06月02日 | テレビ・ラジオ・メディア

世田谷・砧のNHK放送技術研究所へ。

昨日の日曜が、「技研公開2014」の最終日でした。






お目当ては、なんといっても「8Kスーパーハイビジョン」。

「8K」は、今日(2日)から試験放送が始まった「4K」の“その先”にあるものだ。

その映像を、自分の目で確かめること。

8Kスーパーハイビジョンは、NHKの説明によれば「現行のハイビジョン画質の16倍、4K画質の4倍の超高精細映像で、22.2チャンネルの三次元音響と合わせて、臨場感あふれる近未来の放送メディア」です。












で、実際に見てみたわけですが、やはり、かなりなシロモノでありまして(笑)。

85インチや、それ以上の大きさの画面に映し出される映像は、「うーん、リアルだよなあ」とか、「臨場感はハンパないねえ」とか、素直に思えました。

いわゆる「まるで、そこにあるような」「あたかも、そこにいるような」です。

実景、それもかなり遠くから広い範囲をうつした映像で、豆粒のような人の顔が識別できたり、地図に書き込まれた細かな地名がしっかり読める。

オーバーに言えば、目が、ふだんと違った体験をしているんですね。

一般的な「テレビを見る」という体験とは、またちょっと違った「映像体験」です。

アトラクションの体感に近い。

「これ、どう使うんだ!?」(笑)という感じでしたが、きっと2020年の東京オリンピックは、当たり前に8Kだったりするのかも。

まあ、とにかく、「テレビのこれから」をめぐって、色んなことを考えさせてくれた「技研公開」。

百聞は・・・という意味で、足を運んだだけのことはありました。







「うさじい」にも会えた

札幌駅で買った文庫本

2014年06月02日 | 書評した本たち

札幌での仕事が終わり、新千歳空港に向かう前、ほぼ毎回、札幌駅に入っている「札幌弘栄堂書店」に立ち寄ります。

ここでは文庫本をよく買います。

大学への通勤時はもちろん、どこへ行く場合も、常に書評用の単行本を数冊持ち歩いているのですが、ふとその本から離れたい時もあり、多分そのための安心剤として文庫を確保しているんだろうと思います。

今回、快速エアポートに乗る前に入手したのは3冊。

 養老孟司 『嫌いなことから、人は学ぶ~養老孟司の大言論Ⅱ』

 サリンジャー、村上春樹:訳 『フラニーとズーイ』

 竹内一郎 『人は見た目が9割 「超」実践篇』
 

たまたまかもしれませんが、全部、新潮文庫でした。

養老先生の大言論シリーズは、読めば「ふむふむ、そうかもなあ」「おお、そうなんだ」といった発見があって刺激になります。

それに、内田樹先生との「特別対談」付きだし。

サリンジャーは、格別サリンジャーが読みたかったわけではなく(すみません、サリンジャー)、村上春樹さんの『女のいない男たち』を読んだので、引き続き村上さんの書いた文章が読みたくなったんですね。

竹内さんのものは、新書の『人は見た目が9割』が面白かったので。

後は、文庫の「解説」を読むのも好きなんですね。

もっとも、『フラニーとズーイ』にも、竹内さんのものにも巻末の解説というのは、ないんですけど(笑)。

あ、養老先生の文庫は、「特別対談」が「解説」代わりです。

鞄の中に、メインの本以外に文庫本が入っていることのシアワセ、というか有難味を感じつつ、電車に乗ったのでした。


そして、今週の「読んで書評を書いた本」は次の通りです。

文藝春秋:編 『直木賞受賞エッセイ集成』 文藝春秋

橋爪大三郎 『国家緊急権』 NHK出版

洋泉社MOOK 『カメラがとらえた昭和巨人伝』 洋泉社

山下貴光 『イン・ザ・レイン』 中央公論新社

塩澤幸登 『編集の砦』 河出書房新社

筒井康隆ほか『名探偵登場!』 講談社

* これらの書評は、
  発売中の『週刊新潮』(6月5日号)
  読書欄に掲載されています。