碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

47年かけて、「アンコーさん」にお会いした

2014年07月20日 | テレビ・ラジオ・メディア

ついに、アンコーさんにお会いした。

あのアンコーさんだ。

わかる人はわかる。

ラジオ好きなら、なおわかる(笑)。

元ニッポン放送アナウンサーの斉藤安弘さん。

民放連賞ラジオ部門の審査会でのことである。

いや、アンコーさんとご一緒できるだけで、今回、審査員をやらせていただいてよかった。

しみじみ、そう思った。

アンコーさんは、1967年に始まった「オールナイトニッポン」の初代パーソナリティのお一人だ。

カメこと亀渕昭信さんもニッポン放送の社員だった(アンコーさんと同期)。

後に、ホリエモン騒動の時に、亀渕さんがニッポン放送の社長を務めていらして、驚いた(笑)。

当時の高嶋秀武さん(やはり社員でアンコーさんの1期後輩)や糸居五郎さん(30年前に亡くなった元祖ディスクジョッキー)の声も懐かしい。

地方の中学生だった私は、東京から流れてくるかすかな電波に乗ったテーマ曲「ビター・スウィート・サンバ」を、必死でチューニングしながら聴いていた。

もちろん葉書も書いた。いっぱい書いた。

そんなアンコーさんと、実に47年を経て、直接、お話することができた。

生で声を聞いたのだ。

ずっと変わらず、いい声なんだ、これが。

お会いした瞬間、たぶん私は、ただの中学生に戻っていましたね(笑)。


昨年、上柳昌彦さんの「ごごばん!」に出演する機会があり、初めてニッポン放送のマイクの前に座りました。



現在、ニッポン放送には、慶應SFC碓井ゼミの教え子・宗岡芳樹君がいる。

局の看板ディレクターの一人であり、「ナインティナインのオールナイトニッポン」の担当だ。

47年というのは、なかなかすごいものです(笑)。


映画「渇き。」と“中島マジック”の方向

2014年07月20日 | 映画・ビデオ・映像

映画「渇き。」を観ました。

中島哲也監督の新作です。

元刑事のロクデナシ親父・藤島(役所広司)に離婚した元妻から連絡が入った。成績優秀なうえ、容姿端麗、学園のカリスマでもある女子高生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪したという。自分のせいで全てを失った男が、再び"家族"を取り戻すべく、姿を消した娘の行方を追うことに。娘の交友関係をたどって行く先々で、語られる「知らない加奈子像」に戸惑う藤島。想像を超えて肥大し、踏み入れるほどに見失う娘の正体。やがて藤島の激情は、果てしない暴走をはじめる―。


中島監督作品は、「下妻物語」「嫌われ松子の一生」、そして「告白」と観てきましたが、中では「告白」がマイベストです。

で、どうしても「告白」との比較をしちゃうんですね。

というか、「告白」の時の衝撃が味わいたくて、新作を待っていたような気がします。

さて、「渇き。」。

多分、監督は、自身のやりたいことをやり、撮りたいものを撮っていると思います。

映像も編集も音楽も、全編、“中島ワールド”ですから。

でも、どこか“手つき”が乱暴すぎるというか、雑な感じというか。

登場人物の中の誰にも感情移入できなくても、それはそれで構わないのですが、終わっての後味のようなものまで、ただザラザラしているのは、ややしんどかったです。

“中島マジック”の使い方として、この作品の方向じゃないほうがいいのでは、とさえ思ってしまいました。

うーん、ちょっと残念。

ただ、小松菜奈さんは、これからいろんな作品からオファーがあるでしょう。

二階堂ふみさんは、やはり印象に残りました。「私の男」が観たくなります。