日刊ゲンダイの連載している「TV見るべきものは!!」。
今週は、ドラマ「銭の戦争」(フジテレビ系)を取り上げました。
妙なリアリティーがある草の好演。
心配材料は・・・
心配材料は・・・
韓国ドラマの面白さは視聴者を油断させないことにある。「こうなるぞ」という予測をいい意味で裏切っていくのだ。
先週から始まった「銭の戦争」(フジテレビ系)には、そんな韓国ドラマの香りがする。それも当然で、原作は韓国の漫画なのだ。あちらでもドラマ化され、大ヒットとなった。
主人公(草剛)は外資系のヤリ手証券マンだったが、町工場を経営していた父親が多額の借金を抱えて自殺したことで人生が一変する。
連帯保証人として金融業者に追われ、会社はクビ。恋人だった資産家令嬢(木村文乃)とも破局。ホームレスとなった草は「金を掴む」ことで復讐を果たそうとするのだ。
木村の祖母(ジュディ・オング)が、孫娘と別れることを条件に大金を差し出す。もちろん草は突き返す。と思いきや、母親の手術費用が必要になり、引き返して金を受け取る。
ところが取り立て屋たちに襲われ、金を奪われてしまう。といった具合に主人公は快調に転落していくが、草の予想以上の好演で物語に妙なリアリティーがある。
脇役の固め具合もいい。父親を追い込んだ金融業者に渡部篤郎。人の好さから保証人になる高校時代の恩師が大杉漣。伝説の金貸しには津川雅彦だ。
唯一心配なのが大杉の娘・大島優子の素人芝居で、草、木村との三角関係はやや無理筋かも。足を引っ張らないことを祈る。
(日刊ゲンダイ 2014.01.13)