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東京新聞に連載しているコラム「言いたい放談」。
2013年の初回は、大河ドラマ「八重の桜」について書きました。
NHK、かなり、チカラ入ってます(笑)。
スタートした「大河ドラマ」
NHK大河ドラマ「八重の桜」が始まった。見る前は「新島襄の奥さんって言われてもなあ」などと思っていたが、第一回の終了後は
「来週も見よう」と即決。ゲンキンなものだ。
まず物語をアメリカ南北戦争から始めるあたりが憎い。八重が生きた時代を、「世界史の中の日本」として視聴者に印象づけた。それも歴史番組の再現シーンではなく本格的な映像で。作り手側の“心意気”みたいなものを感じさせるには十分だ。
次に、いきなり戊辰戦争での八重の姿、いや「綾瀬はるか」を見せたのがうまい。もちろんすぐに幼少時代へと話は移るが、今回の主人公が誰なのかを知らしめると同時に、ドラマの流れを予感させる効果を生んだ。
その上で、旬の男優陣が続々と登場する。やがて八重の最初の夫となる洋学者は「セカンドバージン」「鈴木先生」の長谷川博己。若き会津藩主に「カーネーション」の綾野剛。砲術家である八重の兄は「ダブルフイス」の西島秀俊だ。いずれも昨年以上の活躍が期待される面々であり、吉田松陰の小栗旬もうかうかしてはいられない。
今年の大河は幕末から昭和初期という激動の時代が背景だ。しかもヒロインは会津生まれで、当面の舞台は福島県である。この二年間、心痛の多かった福島の皆さんへのささやかな励ましになればいいと思う。
(東京新聞 2013.01.09)