碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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「満天☆青空レストラン」ゲストを自然体にする宮川大輔

2022年06月15日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

「満天☆青空レストラン」(日本テレビ系)

ゲストを自然体にしてしまう宮川の手腕

 

2009年に放送開始の「満天☆青空レストラン」(日本テレビ系)は、今や堂々の長寿番組だ。

司会の宮川大輔とゲストが全国各地を訪れ、地元の食材生産者と、その食材を使った料理を紹介していく。何より「食材」という一見地味なテーマを大切にしてきたことが長寿に繋がっている。

最近だと、大友花恋が鹿児島県の霧島で「旨だし酢」に驚き、浜口京子が小田原の「下中たまねぎ」にかじりついていた。中でも出色だったのが、玉木宏の所沢編だ。

聞けば、所沢は小麦の名産地。「麺」は地域のソウルフードだという。訪問したのは300種類の生麺を扱う製麺所だ。ここで玉木は見学するだけでなく、中華麺やうどん作りにも挑戦する。

その上で、製麺所の麺を使った「肉汁うどん」や「醤油焼きそば」をいただくのだが、玉木の食べっぷりが実に気持ちいい。人柄の良さだろう。仕事というより、好きな麺を心から味わっていることが伝わってくるのだ。

毎回、こんなふうにゲストを自然体にしてしまうのは、宮川の手腕だ。「うまい!」の雄たけびは賑やかなのに、自分を押し出し過ぎず、ゲストがリラックスできるよう常にフォローしている。

番組の締めは「本日の乾杯メニュー」のコーナー。地元ラーメン店が作った「ところざわ醤油生姜ラーメン」を前に、みんなで乾杯する生ビールが何ともうまそうだった。

(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは!!」2022.06.15)


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