遊びをせんとや

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「一汁一菜でよいという提案」 ~食の哲学~

2019-06-10 06:54:41 | ブックリスト
以前に買っていたが、なかなか読む気にならなかった。

なんだかテレビの美味しい物番組に出てる人かーみたいな先入観があった。
どうせとも思ってもいた。

では、なぜ、この本を買ったかというと、すごく売れてて、色々な書評欄にも取り上げられているから。

で、読んでみようかと読み始めたら、、。



これは、「食の哲学書」だと思った。 

岡潔や山際寿一の話も、出てくる。

土井善晴さんは私でも物心ついたらテレビでにこやかに和食の料理番組に出演されていた土井勝さんの次男さんだった。
土井勝さんの和食の基本の料理本も持っていた。(今も持っていると思う。)
私の1歳年上。出身も大阪市内で、だから関西の言葉がすっと出て、過ごした子供時代の思い出もよくわかる。

>バースディーケーキのバタークリームが生クリームに変わった時にこんなに美味しい物があるのかと思った。<
というのがよくわかる。

土井善晴さんは仕事で家で料理を作っても娘さんがかえってきたらきちんと奥さんが娘さんのために
食事を作ったそうだ。仕事の料理は必ず、スタッフに食べてもらうか持ち帰ってもらったそうだ。

そうやって子供のために料理を作り、情報を共有し、子供は親の愛情を食べ物を作ってくれるという最大の基本的な行為の
中に感じ、心から安心すると書いてあった。
その情報と愛情のやり取りを毎日することで、その子の価値基準ができてくると。それは食べ物だけでなく、人間の善悪、物事の
良し悪し、本物と偽物、選択の基準になるということだ。

本当にそうなんだ。

私も決して、いい親ではなかったけれど、できるだけ心がけた。
でも忙しい時はよく旦那に回転寿司や中華料理屋さんに連れていってもらったなー。
宅配ピザもよく取った。

出来合いのおかずをスーパーで買って、そのまま食卓に並べたことも何回もあった。

でも、できるだけ家で作るように心がけてはいた。

この本の中でご自分の普段の味噌汁を公開されている。

味噌汁ってだしとらなくていいんやって初めて知って、
ただの水から玉ねぎとわかめの味噌汁を作ってみた。
あっさりして美味しい‼
初めての体験。

もう昆布浸けてかつを節を入れてって手間はなくてもお味噌汁はできる。
気が軽くなった。