初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

選挙速報 下

2009年04月17日 17時54分31秒 | Weblog
 世間で携帯電話が普及し始めたころの話です。
 有線の電話やモトローラのトランシーバーに頼り切らないで、各社も携帯電話も積極的に使う方針になりました。

 奈良県の高市早苗が立候補したときは台風の目になりました。報道各社が高市早苗選挙事務所に集まりました。記者連中が一斉に本社と携帯電話で連絡を始めたものですから、当時の携帯電話のキャパシティーが少なかったのでたちまちパンクしてしまいました。

 有線電話を探さなくてもいいのと、現場で連絡が取れるので、意外と便利だということになりました…。

 阪神大震災の被災現場中継では、携帯電話が大いに威力を発揮しました。一度、本社と連絡がついたら、なるべく携帯電話を切らないようにしていたようです…。

 選挙速報のスタジオは、解説者とアナウンサーのセットのほかに姫路、神戸、奈良、大津、和歌山など各支局の名札を付けたファックスが並んでいます。在阪各局のNHK,MBS,ABC,KTV,YTVの名札を付けたテレビモニターもずらりと並んでいます。

 選挙速報班のデスクは、テレビモニターを見回しながら
  ××局は選挙事務所の中継が多いなあ…
  △△局の当選確実(略して当確(トウカク))を打つのが早いなあ…
と唸っています。

 一時、各局でいかに早く当確を打つか競争のようになりました。開票率が数%でも当確が出ている候補者名を見て不思議に思ったものでした。

 どこの局か忘れましたが、九州の候補者の当確を早く打ち過ぎました。開票率が進むにつれて、その候補者が落選しました。

 誰がどのようにして謝りに行ったのでしょう。

 「だるまの目に墨を入れたのにどうしてくれる…」

 それ以後、選挙事務所では、全局の当選確実を確かめてから、バンザイをするようになりました。

当落のわからない候補者の選挙事務所からの中継で、当選が決まってバンザイの声を聞きながら、機材を撤収して帰るのは気持ちが良いのですが…、その候補者の落選が決まると選挙事務所内は静かになります。その中で事務所の人と眼を合わせないようにして静かに機材を撤収して帰るのは何とも後味の悪いものです…。